周南市野球場

周南市野球場

周南市野球場は、山口県周南市の周南緑地内に位置する市営野球場です。プロ野球の広島東洋カープで活躍した故・津田恒実氏の功績を称え、「津田恒実メモリアルスタジアム」という愛称が付与されています。施設は周南市が所有しており、2023年4月1日からは周南緑地スポレパーク株式会社が指定管理者として運営管理を担っています。

概要と特徴

この野球場は、1971年6月に旧徳山市の周南緑地運動公園の敷地の一角に、「徳山市野球場」として開設されました。その後、2003年の市町村合併により周南市が誕生したことに伴い、現在の名称に変更されました。

球場の特徴的な景観として、外野のスコアボードの向こう側には石油化学コンビナートの多数の煙突がそびえ立ち、工業都市である周南らしい風景の一部となっています。

山口県内のアマチュア野球における重要な拠点であり、年間を通じて高校野球や中国地区大学野球連盟、社会人野球など、様々なカテゴリーの公式戦が開催されています。特に、毎年ゴールデンウィーク期間中に開催される社会人野球のJABA徳山大会は恒例となっており、多くの野球ファンが集まります。

歴史

周南市野球場が建設される以前、旧徳山市には1948年に開設された徳山市営毛利球場が存在しました。これは旧毛利藩邸の跡地に建設されたもので、球場正面に藩邸の門が残されるという独特の景観を呈していましたが、施設の老朽化による閉鎖を受け、その代替施設として整備されたのが現在の周南市野球場です。なお、1971年5月16日に閉鎖された毛利球場の跡地は、ボウリング場などとして利用された時期を経て、最終的に徳山市文化会館（現在の周南市文化会館）の建設地に生まれ変わりました。

2011年10月に開催された「おいでませ！山口国体」を前に、野球場は大規模な改修工事が実施されました。この改修により、公認野球規則に則した両翼100m、中堅122mというグラウンドサイズに拡張されたほか、車椅子席や多目的トイレの設置、エレベーターの設置といったバリアフリー設備の整備も進められました。また、従来のパネル式スコアボードは、映像表示が可能なフルカラーLED式へと更新され、これは山口県内の野球場としては初の導入事例となりました。

周南市は、合併前の新南陽市出身で広島東洋カープの主力投手として活躍した津田恒実氏の功績を称えるため、野球場に同氏にちなんだ愛称を付与する方針を決定しました。施設の新たな整備に伴う関連予算が2012年9月に周南市議会で承認され、公募を経て同年12月14日に「津田恒実メモリアルスタジアム」という愛称が正式に決定しました。翌2013年3月10日に開催された広島対横浜DeNAのオープン戦では、命名式が執り行われました。

2019年11月23日には、福岡ソフトバンクホークスによる野球教室が初めて開催され、甲斐野央、髙橋純平、板東湧梧、日暮矢麻人、栗原陵矢といった現役選手らが約290名の子供たちに熱心な指導を行いました。

施設概要

グラウンド面積：14,000平方メートル
両翼：100メートル、中堅：122メートル
内野：シンダー舗装、アンツーカ舗装
外野：天然芝（バーミューダグラス）
収容人員：15,000人（メインスタンド：4,800人、内野スタンド：3,300人、バリアフリーゾーン：1,000人、外野スタンド：5,900人）
ナイター設備：6基（最大照度：投捕間3500Lx、内野3000Lx、外野2000Lx）
スコアボード：フルカラーLED方式（表示部 幅16m、高さ6m）

プロ野球開催実績

開設以降、セ・パ両リーグの公式戦やオープン戦が開催されています。過去には横浜DeNA（大洋時代含む）、北海道日本ハム（日本ハム時代含む）、広島東洋、巨人、大阪近鉄（近鉄時代含む）といった球団が試合を行っています。特に広島東洋カープは公式戦、オープン戦、そして二軍のウエスタン・リーグ公式戦など、数多くの試合を開催しています。

交通アクセス

JR徳山駅バスターミナル6番のりばより、防長交通バス「（6-0）緑ヶ丘じゅんかん」に乗車し、「緑ヶ丘運動公園前」バス停で下車後、徒歩約5分。
* JR山陽本線櫛ケ浜駅より、徒歩約10分。

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