命の花

松任谷由実「命の花」：発売中止となった幻のシングル

「命の花」は、松任谷由実（ユーミン）が1995年2月20日にリリースを予定していたシングルCDです。発売されていれば、27枚目のシングルとなるはずでした。しかし、発売直前に発生した阪神・淡路大震災の影響で、発売中止という憂き目に遭いました。

楽曲について

「命の花」は、死をも恐れないほどの情熱的な愛を抽象的に歌ったナンバーで、ユーミン自身が「アシッド演歌」と表現するほど、情念のこもった楽曲です。TBS系ドラマ『私の運命』後期主題歌として起用されましたが、ドラマのサウンドトラックにはインストゥルメンタル版のみが収録されています。ゲストバックコーラスとして、ドラマの音楽を担当した熊谷幸子が参加しています。

発売中止の経緯

シングルはジャケット写真も決定し、プロモーション用にサンプラーCDがラジオ局などに配布されていました。しかし、発売予定日の約1か月前に阪神・淡路大震災が発生。歌詞の中に地震や大火災を連想させるフレーズがあったため、被災者の心情を考慮し、発売中止という決断が下されました。

収録予定曲

発売予定だったシングルの収録候補曲は以下の通りです。

1. 命の花
2. 砂の惑星
* 『私の運命』前期主題歌で、アルバム『THE DANCING SUN』からのシングルカット。
3. 命の花（オリジナル・カラオケ）
4. 砂の惑星（オリジナル・カラオケ）

作詞・作曲は松任谷由実、編曲は松任谷正隆が担当しています。

アルバムへの収録

発売中止後、松任谷正隆はアルバムへの収録を見送ることも検討しましたが、ユーミン本人の強い意向により、アルバム『KATHMANDU』に収録されることになりました。ただし、アルバムに収録された「命の花」は、発売中止となったシングルとは異なるバージョンです。シングル・バージョンは現在に至るまで、正式に音源としてリリースされていません。

幻のシングルとして語り継がれる「命の花」。その情熱的な歌声は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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