和六里ハル

和六里 ハル：幅広いジャンルで活躍する漫画家

1975年8月9日、沖縄県に生まれた和六里ハル氏は、日本で活躍する女性漫画家です。そのキャリアは、著名な漫画家である近藤るるる氏のアシスタントとして始まりました。師事期間を経て独立し、プロの漫画家としての道を歩み始めます。独立当初は、師である近藤氏の絵柄に似たテイストの作品を発表していましたが、自身の創作活動を深めるにつれて、次第に独自の個性あふれる画風を確立していきました。一時期は「伴ル築」や「伴ルツキ」といった別の名義でも作品を発表するなど、活動の幅を広げていました。

現在、和六里氏の活動の中心は、主にワニマガジン社の雑誌における成人向け漫画の執筆です。特に作品の中で多く見られるのは、年上の女性と年下の男性の関係性を描いた「おねショタ」や、主人公が複数の異性に囲まれる「ハーレム」といったテーマです。これらのジャンルにおいて、独自の視点と表現で多くの読者を引きつけています。

和六里ハル氏の作品は、成人向けに留まらず、一般向けの作品も手掛けています。単行本としては、メディアファクトリーから刊行された『魔法のエンジェル グルグリビューティー』(2002年)、秋田書店から出た『きんのたまご』(2008年)や『コンビニん』(2008年)、双葉社からの『ロリコンサーガ』(2010年)や全2巻の『勇者の娘と出刃包丁』といった作品があります。これらの一般向け作品においても、多様な物語世界を描き出しています。

一方、成年向け単行本としては、コアマガジンから刊行された『発電ぱんだくん！』(2004年、2009年に新装版)、『苺ちゃんぷるー』(2005年)、『大妹』(2007年)、『新婚姉妹』(2009年)、『さんかくかん』(2011年)などがあります。また、現在の活動の中心であるワニマガジン社からは、『トロピカル☆母娘mix』(2013年)、『女淫ホール』(2018年)といった単行本が発表されています。これらの作品は、それぞれの媒体やレーベルの特性に合わせて、アダルトな描写を含んだ物語が展開されています。

単行本化されていない作品も多数存在し、コアマガジンの『コミックメガストア』やワニマガジン社の『COMIC X-EROS』、『COMIC快楽天』といった雑誌で様々な読み切りや連載作品を発表しています。これらの未収録作品の中にも、ファンから支持される個性的なタイトルが見られます。

さらに、漫画執筆以外にも多岐にわたる活動を行っています。例えば、富士見書房のテーブルトークRPGリプレイ小説『ソード・ワールド2.0リプレイ Sweets』シリーズや、メディアファクトリーのライトノベル『センドー・ウォー 世界を撃ち砕くもの』において、魅力的な挿絵を描いています。また、ライアーソフトから発売されたパソコンゲーム『B級企画 -L&D-』やその関連作品では、原画を担当するなど、イラストレーターとしてもその才能を発揮しています。その他にも、川西ゆうこ氏のCD『bouquet』のジャケットイラストを手がけるなど、活動分野は非常に幅広いと言えます。

近藤るるる氏という経験豊かな師のもとで基礎を築き、自身の得意とするジャンルを確立しながら、一般誌から成人向け雑誌、小説挿絵、ゲーム原画に至るまで、様々なメディアで活躍し続ける和六里ハル氏。その多才な活動は、多くのファンを魅了し続けています。インターネット上では、ブログ「談話室ダイナモ」やX（旧Twitter）、pixiv、PIXIV FANBOXなどを通じて、作品や情報を発信しており、ファンとの交流も積極的に行っています。

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