和歌山県立星林高等学校

和歌山県和歌山市西浜に位置する和歌山県立星林高等学校は、地域の教育を長きにわたり支えてきた歴史ある学校です。

概要と沿革

本校は、戦前に設立された旧制西浜女学校を母体とし、戦後教育制度の改革に伴い、1948年（昭和23年）に男女共学の新しい高等学校として開校しました。当初は普通科と商業科を併置していましたが、後に商業科は独立し、全日制普通科単独となりました。1988年（昭和63年）には、国際化の進展に対応するため国際交流科が設置され、教育内容の幅を広げています。また、2003年（平成15年）からは和歌山大学教育学部附属中学校との間で連携型中高一貫教育を導入しましたが、これは2012年（平成24年）まで実施されました。

教育方針と校訓

星林高等学校では、「一人ひとりを大切にする教育」「自主・自律・高い志」を主な理念として掲げています。生徒の多様な進路希望に応じたカリキュラムを展開し、学力向上だけでなく、クラブ活動や野外活動を通じて、自立心と健やかな心身の育成を目指しています。

本校の校訓は「学びと共に、時、場、礼を大切にする」です。これは2009年度にそれまでの「時を守り、場を整え、礼を正す」から改められました。この校訓は、学習はもちろんのこと、日々の時間の使い方、環境の整備、そして礼儀を重んじることの重要性を生徒に示しています。

校名と象徴

校名である「星林」は、「星のあつまり」を意味しています。これは、大空に輝く星のように、生徒一人ひとりが個性と能力を発揮しながらも、互いに調和を保ち、社会の秩序に従って成長していく多くの人材の集まりであることを願って名付けられました。図書館の隣に立つ石碑には、柿本人麻呂が詠んだ「天（あめ）の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎかくる見ゆ」という和歌が刻まれており、この歌に「星林」の名が初めて詠み込まれたとされています。

校章は、当時の美術教諭によってデザインされました。星を記号の☆で、林を三枚の柏の葉で表現し、葉の間に星を配することで、樹間に輝く星、すなわち優秀な人材が集まる学舎を象徴しています。

校歌は岩橋辰夫氏が作詞（国語科教諭）、信時潔氏が作曲を手がけました。歌詞は1番が朝、2番が昼、3番が夜と、一日の時間の流れの中で、学校周辺の情景や、志を高く持つ若者の友情、そして夜空の星を歌い上げています。

学科構成

本校には普通科と国際交流科が設置されています。

普通科: 2年次から、主に文系・医療系・専門学校等への進学を目指す「スタンダードコース」と、国公立・私立大学への進学を目指す「アドバンスコース」（文系・理系）に分かれます。多様な選択科目や演習を通じて、基礎学力の充実と自主的な学習態度の育成を図ります。
国際交流科: 1988年に設置され、国際的な視野を持ち、異文化理解を深める人材育成を目指しています。外国語教育に重点を置き、スペイン語、中国語、韓国語などの第二外国語も選択可能です。国内外の大学進学や国際舞台での活躍を目指す生徒が集まっています。

学校行事と部活動

年間を通して、クラスマッチ（球技大会）、修学旅行（普通科は沖縄県、国際交流科はカナダなど）、そして文化祭と体育祭を合わせた星林祭など、生徒の交流を深める様々な行事が行われます。部活動も盛んで、運動部・文化部ともに活発に活動しており、過去には硬式野球部が甲子園に出場するなど、顕著な実績を残している部もあります。

著名な出身者と交流

本校からは、政界、学術界、スポーツ界（特にプロ野球選手を多数輩出）、その他多分野で活躍する人材を送り出しています。また、オーストラリア、韓国、アメリカ合衆国に姉妹校を持ち、国際的な交流も積極的に行っています。

アクセス

所在地は和歌山県和歌山市西浜2丁目9-9です。公共交通機関を利用する場合、和歌山バス秋葉山停留所から徒歩約10分です。車を利用する場合、阪和自動車道和歌山ICから約30分でアクセス可能です。

和歌山県立星林高等学校は、その豊かな歴史と伝統を礎に、変化する時代に対応した教育を提供し、未来を担う若者の育成に力を注いでいます。

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