和歌山県道・奈良県道734号高野辻堂線

和歌山県道・奈良県道734号高野辻堂線：山里の生活道路

和歌山県伊都郡高野町から奈良県五條市大塔町を繋ぐ、全長32.7キロメートルに及ぶ和歌山県道・奈良県道734号高野辻堂線は、山間部を縫うように走る一般県道です。

道幅が狭く、車1台がやっと通れるような区間も多く存在するなど、決して走りやすい道路とは言えません。しかし、この道は沿線住民にとってなくてはならない生活道路として、日々の暮らしを支えています。農地や家々が点在する山間部を走り抜け、地域住民の生活に密着した、静かな山道と言えるでしょう。

災害時の生命線

この道路は、歴史的に幾度か発生した大規模災害において、重要な役割を果たしてきました。特に、2004年8月に発生した大規模な地滑りによって国道168号が約3キロメートルに渡って寸断された際には、本路線の一部区間が約3年7ヶ月にわたって迂回道路として機能しました。この間、多くの車両がこの道を通り、地域社会の維持に貢献しました。

また、同じ2004年6月には、大雨により終点付近の橋が被災。国道168号の代替ルートとして、仮橋が架設され、2008年4月17日に新しい仙水橋が完成するまで、重要な役割を果たしました。

しかし、2011年9月には台風12号による大規模な土砂崩れが発生し、野迫川村中津川地区と五條市大塔町清水地区で甚大な被害が発生、高野辻堂線も通行止め区間が生じました。2013年初頭においても、一部区間は通行止めが継続しており、災害の爪痕は現在も残っています。

路線データと地理

陸上距離: 32.7km
起点: 和歌山県伊都郡高野町高野山（桜峠下交差点、国道371号、和歌山県道53号高野天川線と接続）
終点: 奈良県五條市大塔町辻堂（五條市役所大塔支所前交差点、国道168号と接続）

この道路は、和歌山県伊都郡高野町から始まり、奈良県吉野郡野迫川村、そして五條市へと続きます。山深い地域を走り、周囲の自然と一体となった、景観の美しい道路でもあります。

接続路線

国道371号
和歌山県道・奈良県道53号高野天川線（重複区間あり）
奈良県道・和歌山県道733号川津高野線（重複区間あり）
* 国道168号

これらの道路と接続することで、高野辻堂線は地域全体の交通ネットワークにおける重要な役割を担っています。

まとめ

和歌山県道・奈良県道734号高野辻堂線は、山間部の生活道路として、そして災害時の生命線として、地域住民にとって欠かせない存在です。狭隘な道路でありながらも、その歴史と役割は、地域の繋がりを深く象徴しています。今後も、地域の安全と発展に貢献していくことが期待されます。

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