和田宿

和田宿は、中山道六十九次のうち江戸から数えて二十八番目の宿場町として栄えました。現在の長野県小県郡長和町和田の中心部に位置し、難所として知られた和田峠の入口にあたる標高820メートル余りの高地にあります。

歴史

中山道は、江戸と京都を結ぶ重要な街道であり、多くの旅人や物資が行き交いました。和田宿は、次の宿場である下諏訪宿まで五里十八町（約23km）と距離があったため、旅人の中継地として重要な役割を果たしました。最盛期には、荷駄を運ぶための伝馬役を担う家が70軒ほどもあったと伝えられています。

天保14年（1843年）の『中山道宿村大概帳』によれば、和田宿の宿内家数は126軒、うち本陣1軒、脇本陣2軒、旅籠28軒で、宿内人口は522人でした。この数字からも、当時の和田宿の賑わいがうかがえます。

現在の和田宿

現在も、旧本陣や古い家屋が現存し、修理保全されています。これらの建物は、当時の面影を今に伝える貴重な文化遺産であり、宿場町の歴史を肌で感じることができます。宿場周辺では、黒曜石が産出されます。

和田宿は、静かな山里の風景の中に溶け込むように佇んでおり、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。歴史を感じさせる町並みを散策したり、周辺の自然を満喫したりと、様々な楽しみ方ができます。

アクセス

JR北陸新幹線・しなの鉄道 上田駅からJRバスで約50分、「長久保」で長和町営バスに乗り換え

周辺情報

隣の宿: 中山道 長久保宿 - 和田宿 - (和田峠) - 下諏訪宿
道の駅: 道の駅和田宿ステーション

参考文献

児玉幸多 『中山道を歩く』 中公文庫、1988年　ISBN 4122015561

和田宿は、歴史と自然が調和した魅力的な宿場町です。中山道を旅する際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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