和田村 (新潟県)

和田村

概要

和田村（わだむら）は、日本の近代地方自治制度の下、かつて新潟県中頸城郡に置かれていた村である。この地域は、周辺町村との合併や分割を経て、最終的にその名を歴史から消した。

沿革

成立

和田村は、1901年（明治34年）11月1日、周辺の中頸城郡に属する下板倉村、大和村、大倉村、国明村の四村が合併して誕生した。これは明治末期における市町村合併の一環であった。

歴史上の出来事

1927年（昭和2年）2月には、この地域が極めて厳しい自然災害に見舞われた。8日頃から降り続いた記録的な大雪により、主要な交通網である信越本線では多くの列車が立ち往生し、各駅に停車を余儀なくされた。特に脇野田駅（現在のえちごトキめき鉄道・妙高はねうまライン上越妙高駅の一部）では、約400名もの乗客が列車内に閉じ込められる事態となった。雪は降り続け、13日には積雪量が二丈五尺（約7.5メートル）に達し、村全体の交通が麻痺しただけでなく、救援のための食糧や村に備蓄されていた食糧までもが底をつきかけるほど逼迫した状況に陥った。この豪雪は、村の歴史において特筆すべき困難な出来事として記録されている。

消滅への過程

和田村は、その成立から約半世紀を経て、周辺の自治体への編入という形でその歴史を閉じることとなる。最初の動きは1954年（昭和29年）11月1日に起こった。この日、中頸城郡の新井町、矢代村、斐太村、鳥坂村、水上村、泉村、上郷村、平丸村の8町村と、和田村の一部地域が合併し、新たに新井市が誕生した。和田村から新井市へ編入されたのは、大字柳井田、栗原、月岡、及び国賀の区域であった。

最終的な編入と消滅

その後、和田村に残された区域も、年を跨いで編入されることとなった。1955年（昭和30年）2月1日、残存区域は分割され、大字上百々及び広島の区域は新井市へ編入。これら二つの大字を除く和田村の残余区域は、当時の高田市（現在の新潟県上越市の一部）に編入された。この分割・編入により、和田村は自治体としての存在を終えた。

関連事項

和田村の廃止は、昭和の大合併の中で発生したものであり、「新潟県の廃止市町村一覧」を参照することで、新潟県の地方自治史における位置づけを理解する助けとなる。

参考文献

本項目の記述にあたっては、『市町村名変遷辞典』（東京堂出版、1990年）を参照した。

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