和田竜

和田竜（わだ りょう）

和田竜は、1969年12月に大阪府で生まれ、広島県の広島市で育った日本の脚本家および小説家です。彼の名前は、坂本竜馬に影響を受けた母によって付けられました。幼少期は広島市立川内小学校に通い、中学時代の2年生の時に東京に引っ越しました。彼の同期には女優の綾瀬はるかがいます。

彼の文学的な関心は小学生の頃から始まり、特に薬師丸ひろ子のファンだった影響で映画を観るようになりました。その際、大林宣彦監督の『ねらわれた学園』を見たことがきっかけで、原作である眉村卓の小説にも興味を持ったと言います。また、星新一のSF作品にも触れ、高校生の頃にはSF大好き少年として知られていました。

東京都立富士高等学校在学中に映画『ターミネーター』を観た際の衝撃は大きく、次第に映画に対する情熱が高まりました。そこで彼はマスコミ関連の人が多い早稲田大学政治経済学部へ進学します。大学では、司馬遼太郎の作品に出会い、自らの名の由来を考えるきっかけにしながら、歴史に興味を持つようになるのです。

大学を卒業後、彼は泉放送制作という番組制作会社に入社し、ドラマ『愛していると言ってくれ』や『理想の結婚』などの制作アシスタント（AD）として経験を積みました。しかし、現場のスピード感に馴染めず、3年後に辞職しました。彼はもともと脚本家を目指しており、シナリオコンクールにも応募し始めました。その後、彼は繊維・ファッション業界の新聞社に転職しながら脚本の執筆を続けます。

2003年12月、業界の記者をしていた彼は、自作のオリジナル脚本『忍ぶの城』が第29回城戸賞に選ばれるという成果を上げました。これを機に2007年には同作を小説化し、『のぼうの城』として出版します。この作品は、従来のスタイルとは異なる時代小説の代表作とされ、大きな注目を集めました。

その後の9年間、和田竜の名は多くの文学賞で候補に上がり続け、『のぼうの城』は平成24年に映画化され、自ら脚本を手掛けました。2013年発表の『村上海賊の娘』は、週刊朝日が選ぶベスト10に選ばれるなど、高い評価を得ましたし、さらに各種の文学賞も受賞しました。

彼の作品には高い文才が感じられ、しっかりとした取材に基づいたリアリティとエンターテイメント性が融合した魅力を持っています。

主な作品リスト

• - 小説

- のぼうの城（2007年11月）
- 忍びの国（2008年5月）
- 小太郎の左腕（2009年10月）
- 村上海賊の娘（2013年10月）

• - エッセイ集

- 戦国時代の余談のよだん。（2012年10月）

• - 脚本

- のぼうの城（映画、2012年）
- 忍びの国（映画、2017年）

和田竜の著作は、その豊かな歴史感覚と現代的な視点から多くの人々に刺激を与え続けています。今後のさらなる活躍が期待される作家です。

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