城戸賞

城戸賞について

城戸賞（きどしょう）は、映画プロデューサーである城戸四郎の理念に基づき、若手脚本家の才能を発掘し育成することを目的した賞です。この賞は1974年12月1日、映画の日に制定されて以来、映画業界においても非常に重要な位置を占めています。この賞は新人脚本家の登竜門として広く認識されており、その影響力の大きさから、時には映画界の芥川賞とも呼ばれることがあります。

賞の目的と背景

城戸賞は、新人脚本家の登場を促進し、優れた作品が映画化されることを目指しています。受賞者の中には、後に著名な脚本家や映画監督、小説家として成功を収めた人物も多くいます。しかし、近年では第40回以降、2022年に至るまで9回連続で入選作がなかったという厳しい状況が続いており、受賞の難易度が増していることが問題視されています。

運営と選考の歴史

この賞は、日本映画製作者連盟（映連）の「城戸賞運営委員会」によって管理、運営されており、受賞作やその講評は映画専門誌『キネマ旬報』に掲載されます。賞の発案者である山田敏郎は、全興連会長として業界に影響力を持っていました。城戸が活躍していた時代には、彼に近い存在として多くの支援を受けていましたが、彼の死後は岡田茂が城戸賞の創設を発表し、その後の運営にも関与してきました。

城戸賞の創設時には、優秀な脚本を毎年二編選定することが決められ、これには大衆娯楽作品を重視し、特に若手ライターを優先するといった基準が設けられました。また、当初は邦画4社及び城戸四郎による250万円の基金が設定されていましたが、その後も賞の運営は続いています。

初回選考とその後の展開

第1回となる1975年の選考では、応募作18作品が審議されたものの、選考基準に満たす作品が見当たらないとの理由から受賞者なしとなりました。この結果は、映画業界の一部からテレビの影響による脚本の質の低下や、映画自体の衰退が理由として指摘されました。以降も城戸賞においては、若手脚本家の育成が続けられていますが、作品の質が求められるため、多くの年で受賞者がいない事態が続いています。

受賞歴

第1回から第10回までの受賞者は、以下のような結果となりました（特に第1回は該当者なし）。

• - 第1回(1975年): 該当者なし
• - 第2回(1976年): 準入賞『ブルーサマーブルース』正木典子、準入賞『瓦師物語』浜口孝子
• - 第3回(1977年): 入選『夏の栄光』中岡京平、入賞『オレンジロード急行』大森一樹
• - 第4回(1978年): 準入賞『もっとしなやかに もっとしたたかに』小林龍雄、準入賞『よみがえれ・歌』港健二郎

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その後も、城戸賞は若手脚本家にとっての名誉ある賞であり続け、多くの才能を育ててきました。近年の状況は厳しいものの、映画業界の発展に寄与し続けることが期待されています。

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