和田萃

和田萃（わだ あつむ）氏は、1944年2月17日生まれの日本の歴史学者で、日本古代史を専門としています。京都大学で文学博士号を取得後、京都教育大学で教鞭をとり、現在は名誉[[教授]]の職にあります。

満洲国（現中国東北部）遼陽市で生まれ、幼少期に奈良県田原本町に移り住みました。京都大学文学部を卒業後、同大学院に進み、国史学を専攻。1972年に博士後期課程を中退し、母校の助手として研究者の道を歩み始めました。

1975年からは京都教育大学で教鞭をとり、講師、助[[教授]]を経て、1988年に教授に昇進。2007年に定年退職し、名誉[[教授]]となりました。1997年には、学位論文『日本古代の儀礼と祭祀・信仰』で京都大学から文学博士の学位を授与されています。現在は奈良県高取町に在住し、奈良県立橿原考古学研究所の指導研究員も務めています。

和田氏の研究は、日本古代史の中でも特に、古代の思想、文化、そして儀礼・祭祀に焦点を当てています。従来の研究で用いられてきた『古事記』や『日本書紀』といった文献史料だけでなく、木簡のような出土資料も積極的に研究に取り入れている点が特徴です。大学院時代から考古学研究会に所属していたこともあり、考古学にも深い知識を持ち合わせています。

また、和田氏は歌人としても活動しており、前登志夫氏が主宰する「ヤママユ」という歌誌の同人でもあります。

著書には、以下のようなものがあります。

『古墳の時代』(小学館、1987年)
『日本古代の儀礼と祭祀・信仰』(塙書房、1995年)
『飛鳥－歴史と風土を歩く』(岩波新書、2003年)
『図説 飛鳥の古社を歩く―飛鳥・山辺の道』(河出書房新社、2007年)
『歴史の道を行く 橿原市内に息づく古道を訪ねて』(橿原市企画調整部企画政策課、2009年)
『ヤマト国家の成立 雄略朝と継体朝の政権』(文英堂、2010年)
『大和路古事記を巡る』(奈良新聞社、2013年)
『古代大和を歩く』（吉川弘文館、2013年）

これらの著作からもわかるように、和田氏は古代史研究の成果を広く一般に伝えることにも尽力しています。

和田氏の研究は、古代日本の社会や文化を理解する上で重要な貢献をしており、その業績は高く評価されています。

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