和菓子の日

和菓子の日とは

和菓子の日（わがしのひ）は、全国和菓子協会が1979年（昭和54年）に制定した記念日です。毎年6月16日に、日本の伝統的な食文化である和菓子をより多くの人に知ってもらい、その文化を後世に継承していくことを目的としています。

歴史的背景

和菓子の日の由来は、平安時代中期にまで遡ります。承和年間（834年 - 848年）に国内で疫病が流行した際、仁明天皇は年号を嘉祥と改めました。嘉祥元年（848年）6月16日、天皇は16個の菓子や餅を神前に供え、疫病退散と健康を祈願したとされています。この故事が、和菓子の日の起源とされています。

この出来事から、6月16日には厄除けと招福を願って菓子を食べる「嘉祥菓子」の習わしが生まれ、平安時代から中世、近世にかけて様々な形で受け継がれてきました。江戸幕府においては、6月16日を嘉祥の日とし、お目見え以上の身分の者には大広間で和菓子が与えられました。これらの歴史的な背景が、和菓子の日の制定に繋がっています。

和菓子の日制定の目的

全国和菓子協会は、このような歴史的な背景を踏まえ、日本の食文化の重要な一部である和菓子を正しく後世に伝え残すために、この記念日を制定しました。和菓子には、日本の風土や文化、歴史が深く結びついており、その魅力を広く知ってもらうことが、この記念日の大きな目的です。

和菓子の日に関連するイベント

和菓子の日に合わせて、各地で様々なイベントが開催されています。例えば、明治神宮では、明治神宮菓道敬神会が主催する無料の和菓子配布イベントが行われています。会員の和菓子職人たちが、その場で練り切りを作り、参拝客に提供しています。これは、和菓子の魅力を実際に体験してもらうための、素晴らしい機会となっています。

また、大阪府では、1997年に大阪府生菓子青年クラブが和菓子の日のために「笑わず餅」を創作しました。この餅は、親組合である大阪府生菓子協同組合が商標登録を行い、大阪市内の難波神社で献菓式を行い、神社前の御堂筋線（歩道）で無料配布が行われています。ただし、2020年と2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で、無料配布は中止され、献菓式のみが執り行われました。

和菓子の日から広がる和菓子の魅力

和菓子の日をきっかけに、より多くの人が和菓子に興味を持ち、その奥深い世界を体験することが期待されます。和菓子は、季節の移ろいを繊細に表現したり、伝統的な技術で作られたりと、日本の文化と深く結びついています。この記念日が、和菓子の文化を次世代に継承していくための一つのきっかけとなるでしょう。

和菓子の日には、ぜひ和菓子を味わい、その背景にある歴史や文化に触れてみてください。

関連情報

• - 6月16日は和菓子の日・全国和菓子協会
• - 和菓子の日・株式会社 虎屋
• - なぜ6月16日が「和菓子の日」なの? 日本あんこ協会

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