咸安 (東晋)

咸安（かんあん）は、東晋の簡文帝、司馬昱（しばいく）の治世において用いられた元号であり、371年から372年までの2年間を指します。

咸安年間の出来事

咸安元年（371年）

11月21日：簡文帝が即位したことに伴い、元号が「咸安」と改められました。

咸安2年（372年）

7月1日：庾希（ゆき）が京口（けいこう）で反乱を起こしましたが、桓温（かんおん）によって鎮圧されました。
7月28日：簡文帝が崩御し、孝武帝（こうぶてい）司馬曜（しばよう）が即位しました。
11月5日：妖賊である盧悚（ろしょう）が建康（けんこう）の宮城に侵入しましたが、最終的には制圧されました。

咸安の時代背景

咸安の時代は、東晋が国内の不安定要素を抱えつつも、なんとか維持されていた時期でした。簡文帝の短い治世は、政治的な混乱と社会不安を反映しており、その後の孝武帝の時代への移行期にあたります。

庾希の反乱は、中央政府に対する地方勢力の反抗を示すものであり、桓温による鎮圧は、当時の軍事力のバランスと、中央への忠誠心を保つことの重要性を示唆しています。また、盧悚の反乱は、社会の底辺における不満の高まりと、それを利用しようとする勢力の存在を示しています。

簡文帝の崩御と孝武帝の即位は、政治的な権力の移行を意味し、新たな時代の始まりを告げるものでした。しかし、孝武帝の治世もまた、国内の安定を維持するための様々な課題に直面することになります。

参考文献

川本芳昭『中華の崩壊と拡大 魏晋南北朝』講談社〈中国の歴史05〉、2005年2月。
三崎良章『五胡十六国 中国史上の民族大移動』東方書店、2002年2月。
李崇智『中国歴代年号考』中華書局、2004年。

関連項目

元号一覧 (中国)
* その他の咸安の用例（曖昧さ回避）

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