唐括定哥

唐括定哥（とうかつ ていか）

唐括 定哥は、金の廃帝海陵王の妃嬪として知られています。彼女の生涯は、愛欲と陰謀に彩られた波乱に満ちたものでした。

生涯

唐括定哥は、元々皇族である烏帯の正妻でした。しかし、彼女は好色で奔放な性格であり、多くの男性と密通を重ねていました。その中には、後の海陵王となる迪古乃も含まれていました。一方、夫の烏帯は、熙宗を弑逆して迪古乃（海陵王）を擁立する計画に加担していました。

天徳4年（1152年）7月、海陵王は定哥に対し、「もしお前が夫を殺すならば、お前を皇后に立てよう」と烏帯の殺害をもちかけました。定哥は当初、この申し出を拒否しましたが、海陵王は「お前がやらなければ、お前の子供たちもろとも処刑する」と脅迫しました。窮地に追い込まれた定哥は、やむなく夫である烏帯を謀殺しました。

烏帯の葬儀後、定哥は後宮に入り、娘子に封ぜられ、海陵王の寵愛を受けるようになりました。貞元元年（1153年）4月には、貴妃に封ぜられるまでになりました。しかし、海陵王はその後、新たな女性に目を奪われ、定哥を顧みることが少なくなりました。ある時、定哥は屋敷の屋根の上に立ち、通りかかった海陵王を罵りましたが、海陵王は彼女に見向きもせずに立ち去ったという逸話が残っています。

その後、定哥はかつての家僕と密通しました。この密通は、侍女であった貴哥（後の莘国夫人）によって海陵王に密告されました。貞元元年12月丙子（1154年1月7日）、定哥は海陵王の命により賜死となりました。

定哥の妹である唐括石哥もまた、海陵王に奪われ、麗妃となりました。

子女

定哥には以下の子供がいました。

兀答補
女子

ただし、これらの子供たちはすべて烏帯との間に生まれた子供です。

伝記資料

唐括定哥に関する記述は、『金史』に見られます。

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