商業界

商業界について

株式会社商業界は、かつて日本の小売・流通業界に特化した出版事業を展開していた出版社です。1948年に創業し、業界専門誌の発行を中心に、セミナーやスクールの運営など、幅広い活動を行っていました。しかし、出版不況の影響を受け、2020年3月31日に事業を停止。同年4月2日、東京地方裁判所から破産開始決定を受け、2021年7月2日に法人格が消滅しました。

沿革

商業界は、1948年に業界専門誌を発行する出版社として創業しました。月刊誌『商業界』をはじめ、『販売革新』、『食品商業』、『ファッション販売』の4誌を中心に、業界の動向や実務に役立つ情報を発信していました。また、WEBメディア『商業界オンライン』や、国内の主要スーパー・チェーンストア情報を網羅した『日本スーパー名鑑』など、多岐にわたる媒体を刊行していました。

出版事業だけでなく、売場スタッフや店長向けのセミナー、経営幹部育成のためのスクールなど、教育事業にも力を入れていました。これらの活動を通じて、商業の技術と精神を広く啓蒙することを目指していました。

1996年6月期には売上高約21億円を記録しましたが、その後、出版不況の影響を受け、2010年6月期には12億5000万円にまで減少。さらに2019年6月期には約7億円にまで落ち込み、債務超過も3億2900万円に拡大しました。2020年3月31日には全従業員を解雇し、公式ホームページで休業を発表。負債総額は約8億8000万円に上り、破産に至りました。

主な出版物

雑誌

『商業界』：1948年創刊。「店は客のためにある」という理念のもと、全国の商店や商人への取材を通じて、商売に役立つ情報を発信していました。
『販売革新』：1963年創刊。様々な業態のチェーンストアの企業戦略や業界動向、新店情報などを紹介していました。
『食品商業』：1972年創刊。食品スーパーマーケットに特化した雑誌で、実務知識や食品業界の情報を提供していました。
『ファッション販売』：1976年創刊。アパレルショップや衣料品部門の販売員、経営者向けの雑誌で、接客技術や企業戦略を中心に紹介していました。

過去に刊行していた雑誌

『飲食店経営』：1975年創刊。2015年に株式会社アール・アイ・シーに譲渡されました。
『コンビニ』：1998年創刊。2016年に株式会社アール・アイ・シーに譲渡されました。

WEBメディア

商業界オンライン：2017年創刊。

書籍

日本スーパー名鑑：1962年から刊行されていた、国内の主要スーパー・チェーンストア情報を網羅した書籍。
* すぐ分かるハンドブックシリーズ：実務に役立つハンドブックシリーズ。

まとめ

商業界は、長年にわたり小売・流通業界を支えてきた出版社でしたが、時代の変化に対応できず、残念ながらその歴史に幕を閉じました。しかし、同社が発行した数々の専門誌や書籍は、業界に多大な影響を与え、多くの人々に知識と刺激を与え続けています。

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