問屋町 (岡山市)

問屋町（といやちょう）

問屋町は岡山県岡山市北区に位置する地域で、商業的な活気を呈しています。この地区は、JR北長瀬駅から南へ約800メートルの場所にあり、繊維問屋と多様な飲食店、衣料・雑貨店などが共存する独特の街並みを形成しています。約13ヘクタールにわたるエリアには、50以上の卸売業者と60近くの小売業者が集まり、業態の複合性が特徴です。

現在の商業環境

問屋町は新たな商業スポットとして注目を集めており、地元のタウン情報誌や観光ガイドにも頻繁に紹介されています。ここには約20軒の飲食店があり、カフェやカレー、おしゃれなイタリア料理、さらには和食のお店などがラインアップしています。多くの飲食店は、それぞれの個性を生かした個人経営の店が多く、チェーン店はあまり存在しません。また、衣料品や雑貨を扱うお店はおよそ40店舗あり、移転してきた店も散見されます。

この地域の特筆すべき点は、倉庫や事務所を改装したユニークな店舗が点在することです。店舗の外観は、ショーウィンドーで演出されたものや、オープンカフェが設けられた店舗など、独自の魅力を醸し出しています。さらに、卸売業者が小売業にも積極的に参入する動きも見受けられます。

課題と展望

問屋町に多くのテナントが集まる背景には、広い道路と比較的少ない駐車禁止規制、そして市中心部に比べて割安な家賃があります。しかし、人気の高まりとともに家賃は上昇傾向にあり、一時的に安価だった頃の恩恵が少なくなっているのが現状です。さらに、自動車訪問者の増加により、駐車マナーに関する問題も指摘されています。

この地域の小売店同士の絆は強いものの、問題への対応を協力して行う組織は未整備です。そのため、新規小売店を巻き込んだ連携組織の設立が模索されています。問屋町テラス（旧オレンジホール）周辺には店舗が集中している一方、南部地域は廃業した店舗の解体とともにマンションや駐車場へと変化しています。

学教育面

地域の公立小・中学校については、明確な学区が設定されています。これにより、地域に住む子どもたちが通学しやすい環境が整えられています。

協同組合岡山県卸センター

岡山県繊維製品卸商業組合を中心に設立された協同組合は、卸センターの拡大を図り、その傘下には文具や雑貨などを手掛ける業者も参加しています。しかし、現在は組合員数が減少し、50社を下回る現状です。この協同組合は共同施設として組合会館や展示場などを持ち、卸売業の促進を目指しています。

沿革

問屋町はかつて市中心部に存在した卸売業者が中心となって、昭和43年にこの地に移転し、岡山県卸センターとして開業を果たしました。その後、地域の都市整備が進む中で、流通形態が変化し多くの業者が廃業を余儀なくされました。

この問題に対処するため、卸センターは平成12年に入居条件を緩和し、卸売業者以外への開放を図りました。この結果、出店ラッシュが発生し、地域の活性化が進みました。急速な人口増加とともに、定期的に行われるファミリーセールなども地域の賑わいを呼び起こす要素となっています。

交通アクセス

交通の便も良好で、北長瀬駅から徒歩10分ほどで到着でき、岡山駅からのバスも利用できます。多様な交通手段が整備されており、訪れる人々にとって便利なアクセス環境が整っています。

問屋町は、そのユニークな商業環境と地域との結びつきが今後の発展に寄与することでしょう。

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