善光寺 (美濃市)

善光寺（ぜんこうじ）

岐阜県美濃市泉町に位置する善光寺は、阿弥陀如来を本尊とする浄土宗西山禅林寺派の寺院です。山号を小倉山と称し、中濃八十八ヶ所霊場の三十三番札所として、地域の人々に親しまれています。

歴史

寺伝によれば、善光寺は嘉慶元年（1387年）に受転によって、現在の広島県尾道市に建立されたとされています。その後、どのような経緯をたどったのかは明らかではありませんが、明治34年（1901年）に現在の美濃市泉町へと移転しました。この移転の際、近隣の来昌寺から素真という僧侶が一光三尊の阿弥陀如来像を当寺にもたらしたと伝えられています。

明治40年（1907年）には、日露戦争で武儀郡出身の戦没者170名の木像が、名古屋の人形師によって制作され、寺内に建てられた忠魂堂に祀られました。忠魂堂には、戦没者の戦歴簿も併せて納められていました。しかし、太平洋戦争終結後の昭和20年（1945年）、連合軍総司令部（GHQ）の指令により忠魂堂は破却されることとなり、木像は遺族へと引き渡されることになりました。遺族に引き取られなかった木像は、長らく倉庫に保管されていましたが、昭和52年（1977年）に新たに建立された英霊堂に移され、現在に至っています。

参考文献

* 『美濃市史　通史編　 下巻』美濃市　 p432　1980年

補足

善光寺は、その長い歴史の中で、幾度かの移転や変遷を経験してきました。特に、日露戦争と太平洋戦争という二つの大きな戦争の影響を受け、その姿を変えてきました。現在では、地域の人々の心の拠り所として、静かにその歴史を刻み続けています。

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