善隣協会専門学校 (旧制)

善隣協会専門学校の歴史と特徴

善隣協会専門学校（ぜんりんきょうかいせんもんがっこう）は、1935年4月に設立された日本の旧制専門学校である。この学校は内蒙古での医療や教育の支援を行う財団法人善隣協会によって設立され、特に外地で活躍できる人材を育成することを目的としていた。学校は一時期、善隣高等商業学校（善隣高商）と名称を変え、実業教育に加えて語学教育に重点を置いていたことが特徴である。

設立の背景と沿革

専門学校の前身は1933年に設立された日蒙協会であり、初代の理事長は陸軍少将の依田四郎であった。1935年には設立認可を受け、同年4月に開校し、1学年の定員は50名であった。選考を厳格に行った結果、第一期入学者は29名という少数であった。

コースには本科に加え、内モンゴルからの留学生を対象とした特別予科が設けられ、語学教育のために第一外国語として支那語や蒙語、第二外国語には英語や他の言語が選択可能であった。また、初年度は全寮制をとっていたが、後に選択制に変更された。

1941年には修業年限が短縮され、1944年には善隣外事専門学校と改名された。さらに、科目の選択肢も広がり、支那科や蒙古科、露西亜科などが設けられた。

戦争の影響と経営の変遷

しかし、1945年の空襲により校舎や事務所が焼失し、戦後は財政的な支援がなくなったことで、経営は厳しくなった。1947年には善隣専門学校に改称され、文科と経済科の2科体制へと改組されたが、経済的な負担の少ない単科大学への移行が主張されるようになった。

1949年には新制の大学として善隣大学が設立されたが、商学部貿易学科のみの小規模なものであり、わずか40名程度の入学者数にとどまった。次第に大学も日本商科大学と改称されたが、1950年には両校とも廃校となり、学生たちは他の大学へと転校することとなった。

校長と校地の変遷

校長としては、初代の井上璞を始め、戦後は大嶋豊がその役割を担ったが、公職追放の影響を受け続け、それ以降も何度か再興を試みたが果たせなかった。校地は戸山校地から始まり、空襲後は川崎市溝ノ口の馬絹台校地に移転したが、交通の便が悪いことが影響し、経営崩壊の一因となった。

教育内容と意義

善隣協会専門学校は、外国語教育に特化したカリキュラムから、国際的な舞台で活躍する人材を育成することに注力していた。この校が果たした役割は、特に当時の日本においては貴重なものであった。設立から数十年を経て、第二次世界大戦や経営難に苦しみつつも、多くの学生たちに語学力や国際的な視野を与えたことは、今でも評価されている。

このように、善隣協会専門学校は、教育機関としての意義と歴史を持ちながら、時代に翻弄された存在であった。

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