善隣教

善隣教について

善隣教（ぜんりんきょう）は、福岡県筑紫野市を本拠地とする新宗教です。この教団は、教祖である力久辰斎（りきひさたっさい）の指導の元、信徒たちに心の改善や生活の質を向上させることを教えています。現教主は力久道臣（りきひさみちおみ）で、信徒数は約13万人に上ります。

歴史の沿革

善隣教の起源は、1907年10月28日に誕生した力久辰斎に遡ります。彼の父である辰三郎は、元々佐賀県で魚商を営んでいましたが、持病を治すための修行を通じて霊能力を身につけ、「神道実行教力久教会」を創設しました。辰三郎が1926年に亡くなった後、辰斎は20歳で力量を受け継ぎ、神戸での職を辞めて修行を開始しました。

その後、彼は約20年間にわたり朝鮮半島や九州各地で修行を重ね、1947年5月20日に佐賀県多久市で「瑞鳳園精神修養道場」を設立しました。1948年には教団名を「天地公道善隣会」と改名し、1952年には宗教法人として認可を受けました。1960年には福岡県筑紫野市に本部を移し、教団名も「善隣会」に変更されました。

1977年には教祖の辰斎が亡くなり、長男の隆積が2代目教主に就任しました。その後、1992年には現在の名称である「善隣教」に改称され、2010年には隆積の孫である道臣が3代目教主に就任し、隆積は聖主となりました。

教理・教義

善隣教の教えは、「心は運命の製造者にして生活は運命の製造所なり」という基本概念に基づいています。これは、心と生活の質を高めることで自らの運命を切り開き、真の幸福を追求することを目的としています。また、教団には以下の5つの信条があります:

1. 合掌の誠は人生の大切なり
2. 信仰の誠は人生を肥やし命を養う
3. 幸福を願うより信仰生活こそ大切なり
4. 愛の生活は信仰の要諦なり
5. やりますは神人融合への道

特に「やります」は、善隣教の教えを実行することの重要性を示しており、教主が現れる際には信者たちが「やります」と三度声を揃えます。さらに、教団の特色として「即決」と呼ばれる信仰行為があり、教主に触れることで病気や障害が癒されるとされています。

所属と課題

善隣教は新日本宗教団体連合会（新宗連）に属し、2016年時点で聖主の力久隆積は顧問、教主の道臣は理事を務めています。しかし、1995年に改正された宗教法人法に基づく財務情報の公開に関しては、教団が信教の自由と政教分離の原則を主張し、提出を拒否したため行政罰を受けています。

終わりに

善隣教の教えは、心の改善と実践を通じた幸福の追求に基づいており、その歴史や信条は多くの信者に支持されています。信徒たちは、教えを実践することで自身の運命を切り開くことを目指しています。

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