喘鳴

喘鳴（ぜんめい）とは

喘鳴とは、呼吸時に気道が狭くなることで発生する異常な呼吸音です。特徴的な「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音で表現されることが多く、聴診器で確認できます。この異常音は、気道のどこが狭くなっているかによって、吸気時または呼気時に聞こえ方が異なる場合があります。

喘鳴の種類

喘鳴は、聞こえるタイミングによって大きく二つに分類できます。

1. 吸気性喘鳴（stridor）
吸気時に主に聞こえる喘鳴で、「ストライダー」とも呼ばれます。
喉頭や気管といった上気道の狭窄が原因で発生します。
特徴的な音は、高い音や笛のような音です。
代表的な疾患として、クループ（急性喉頭気管気管支炎）が挙げられます。クループは、ウイルス感染により喉頭が炎症を起こし、気道が狭くなることで発症します。

2. 呼気性喘鳴（wheeze）
呼気時に主に聞こえる喘鳴で、「ウィーズ」とも呼ばれます。
気管支や細気管支といった下気道の狭窄が原因で発生します。
特徴的な音は、低い音や「ヒューヒュー」といった音です。
代表的な疾患として、喘息が挙げられます。喘息は、気道が慢性的に炎症を起こし、過敏になっている状態です。炎症により気道が狭くなったり、分泌物が増加したりすることで、呼気時に喘鳴が聞こえます。

喘鳴の原因となる疾患

喘鳴は、さまざまな疾患によって引き起こされます。主な疾患は以下の通りです。

上気道狭窄を伴う疾患
クループ（急性喉頭気管気管支炎）
喉頭異物
喉頭軟化症
喉頭腫瘍
声帯麻痺

下気道狭窄を伴う疾患
喘息
慢性閉塞性肺疾患（COPD）
気管支炎
細気管支炎
異物吸引
気管支拡張症

馬の喘鳴症

馬にも喘鳴を引き起こす呼吸器疾患があります。馬の喘鳴症は、運動時に呼吸困難を伴うことが多く、競走能力に影響を与える可能性があります。原因としては、喉頭や気管の構造的な異常、神経の異常などが考えられています。具体的な疾患としては、反回神経麻痺による喉頭片麻痺などが挙げられます。

喘鳴の症状と対処

喘鳴の症状は、原因となる疾患や重症度によって異なります。軽度の場合、呼吸時にわずかに異常な音が聞こえる程度ですが、重度になると、呼吸困難やチアノーゼ（皮膚や粘膜が青紫色になる状態）を伴うことがあります。喘鳴が認められた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。特に、呼吸困難やチアノーゼを伴う場合は、緊急を要することがあります。

喘鳴の診断と検査

喘鳴の診断には、聴診が最も重要です。聴診によって喘鳴の種類や程度、聞こえるタイミングを評価します。さらに、原因疾患を特定するために、以下のような検査を行うことがあります。

胸部X線検査
血液検査
呼吸機能検査
* 気管支内視鏡検査

これらの検査結果を総合的に判断し、喘鳴の原因を特定し、適切な治療を行います。

まとめ

喘鳴は、気道の狭窄によって引き起こされる異常な呼吸音であり、その種類や原因は多岐にわたります。呼吸時に異常な音を感じた場合は、速やかに医療機関を受診し、専門医の診断と治療を受けることが大切です。

もう一度検索