喜劇映画研究会

喜劇映画研究会：笑いのアーカイブを未来へつなぐ

喜劇映画研究会は、1976年11月6日に東京都渋谷区で設立された、古典喜劇映画を愛する人々のための非営利団体です。アマチュアの映画同好会でありながら、その活動は多岐にわたり、貴重な映画フィルムの収集・保存から、上映会や講演会の開催、メディアへの情報提供、博物館への作品貸与まで、幅広く手掛けています。

貴重なフィルムと資料の収集

喜劇映画研究会の特筆すべき活動の一つは、欧米のFIAF(国際フィルム・アーカイヴ連盟)加盟機関やコレクターから、希少な古典映画のフィルムと関連資料を譲り受けていることです。映画スターの直筆サイン入りポートレート、契約書、初公開時のポスターなど、映画史を彩る貴重な品々が所蔵されています。これらの資料は、映画史研究者にとっても貴重な財産であり、喜劇映画研究会の活動を支える重要な基盤となっています。

多彩な上映会とイベント

喜劇映画研究会は、収集したフィルムや資料を活用し、自主企画の上映会や講演会を不定期に開催しています。古典喜劇映画の魅力を再発見する場として、多くの映画ファンに親しまれています。また、各種メディアへの情報提供や調査協力、博物館などの特別企画展や映画祭への作品貸与なども行い、映画文化の普及に貢献しています。

主なイベント協力としては、渋谷PARCO『ベスト・オブ・コメディ』、アテネ・フランセ文化センター『キートン大全集』、調布映画祭 特別講演、吉本興業『京都国際映画祭』、神戸映画資料館『コメディ宝箱』など、数多くのイベントに協力しています。

主催イベントとしては、『夢の森にて』『銀幕ランドスケープ』『幻燈音楽一夜』『旋律は笑う』『喜劇映画のビタミン』『サイレント映画の旅』などの企画名で、著名な音楽家、芸能人、文化人をゲストに生演奏付き上映会を行なっています。

著名なゲストとのコラボレーション

喜劇映画研究会主催のイベントには、数多くの著名な音楽家やパフォーマーが参加しています。谷川賢作（ピアノ）、太田惠資（ヴァイオリン）、鬼怒無月（ギター）、おおたか静流（歌）、仙波清彦（ドラムス）、柳下美恵（ピアノ）、山崎バニラ（活動写真弁士）など、ジャンルを超えた多彩なゲストが、上映会に華を添えています。

組織概要

喜劇映画研究会は、1976年11月6日に東京都渋谷区立広尾中学校の文化祭にて始動しました。発祥地は東京都渋谷区東3丁目、現在の所在地は東京都大田区上池台5丁目です。初代会長は劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ（小林一三）。現在は新野敏也が会長を務めています。株式会社ヴィンテージが著作権、商標権、及び運営の管理を行なっています。

所蔵作品と関連書籍

喜劇映画研究会は、約400作品の映画フィルムと約1500作品のビデオ（テープ、及びディスク・メディア）を所蔵しています。また、研究会の活動に関連する書籍も多数出版・協力しています。

主な著書・協力書籍としては、『サイレント・コメディ全史』（1992年）、『〈喜劇映画〉を発明した男 帝王マック・セネット、自らを語る』（2014年）、KAWADE夢ムック文藝別冊 ウディ・アレン（2017年）などがあります。

メディアへの貢献

喜劇映画研究会は、テレビ・ラジオ番組への協力も積極的に行っています。『ウィークエンドライブ 週刊地球TV』（テレビ朝日）、『日立 世界・ふしぎ発見!』（TBS）、『サントリー・サタデー・ウェイティング・バー』（FM TOKYO）など、数多くの番組に企画協力や映像提供、ゲスト出演などの形で貢献しています。

喜劇映画研究会は、古典喜劇映画の魅力を次世代に伝えるため、地道な活動を続けています。その活動は、映画ファンのみならず、映画史研究者や文化関係者からも高い評価を得ています。笑いの歴史を未来へつなぐ、その活動から今後も目が離せません。

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