喜多一郎

喜多 一郎（きた いちろう）

日本の映像作家、プロデューサー、作家。1956年6月9日、東京都に生まれる。日本大学芸術学部映画学科を卒業後、テレビや音楽業界でキャリアを積んだ。1997年に自身の制作会社である株式会社オフィスキタを設立し、代表取締役社長を務めている。

2002年からは映画監督としての活動を本格的に開始。「人間再生」を自身の変わらぬテーマとして掲げ、すべてオリジナル脚本でこれまでに12本の長編映画を監督してきた。

代表的な監督作品としては、2005年公開の映画『Life on the longboard』がある。俳優の大杉漣氏、小栗旬氏らが出演したこの作品は、日本全国で中年層のサーフィン愛好者を増加させるという社会現象を巻き起こし、大きな話題となった。また、2013年公開の『ヨコハマ物語』は、神奈川県から推薦映画第一号に指定され、大きなヒットを記録している。2015年には異色の作品『Bad Moon Rising』を発表。この作品は、バハマ国際映画祭をはじめとする世界の主要な映画祭で上映され、高い評価を得た。近年の作品では、2019年に公開された『Life on the Longboard 2nd Wave』があり、15年前に公開された前作の続編として注目を集めた。

映画以外にも、テレビ番組やCMなど、1000本以上の映像作品の制作にプロデューサーやディレクターとして携わっている。また、作家としても活動しており、著書に『星砂の島、私の島』（ワニブックス）、『やくそく』（小学館）などがある。

音楽プロデューサーとしては、1985年から1990年代にかけて、多くのヒット曲の制作を手掛けた実績を持つ。

多岐にわたる活動の中でも、特にハワイ文化への造詣が深く、これを題材とした作品を数多く生み出している。フライベントのプロデュース、ハワイアンミュージックCDの制作、関連するコマーシャル、テレビ番組、DVD制作など、幅広い形でハワイアンカルチャーを紹介している。特に、門外不出とされていたフラの世界最高峰の祭典「メリーモナークフェスティバル」を、初めて海外の放送局（日本のNHK）で中継する番組のプロデューサーを務めたことは、ハワイアンカルチャー普及への貢献として特筆される。

2020年には、自身初の個展となる「Life on the Longboard 人間再生展」を京都と東京で開催し、映画の世界観を新たな形で表現した。

喜多一郎氏の創作活動は、一貫して人間の再生や生きる力といったテーマを探求し続けており、その表現は映像、音楽、執筆、そしてハワイ文化へと多岐にわたっている。

主な監督作品（映画）

『星砂の島、私の島～アイランドドリーミング～』 (2004年) - 大多月乃、BEGIN、モーニング娘。出演
『Life on the Longboard』 (2005年) - 大杉漣、小栗旬 出演
『サンシャインデイズ～劇場版～』 (2008年) - 西原亜希、浅利陽介 出演
『海の上のきみは、いつも笑顔。』 (2009年) - 谷村美月、桜田通 出演
『星砂の島の小さな天使～マーメイドスマイル～』 (2010年) - 飯田里穂、牧田哲也 出演
『シェアハウス』 (2011年) - 吉行和子、坂上忍 出演
『ヨコハマ物語』 (2013年) - 北乃きい、奥田瑛二 出演
『By The Sea～アホどもの集う海～』 (2014年) - ミッキー・カーチス、佐伯めぐみ 出演
『Bad Moon Rising』 (2015年) - 菅田俊、菜葉菜 出演
『鏡の中の笑顔たち』 (2015年) - 白石隼也、夏菜 出演
『桃とキジ』 (2017年) - 櫻井綾、弥尋 出演
『Life on the Longboard 2nd Wave』 (2019年) - 吉沢悠、馬場ふみか、松原奈佑 出演

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