嘉島 (宇和島市)

嘉島（かしま）について

嘉島は、愛媛県宇和島市の西方約19キロに位置する有人島です。島の人口は約159人と少なく、53世帯が暮らしています（平成19年9月時点）。この島は長い間、隣接する戸島の属島であり、1958年に周辺の四村と共に宇和海村に統合され、1974年に宇和島市に編入されました。嘉島の歴史と地理的な特徴を掘り下げてみましょう。

名前の由来

嘉島の名前の変更に関する記録は「戸島村誌」に記されています。原初は「加島」と称されていましたが、戸口が増加したことを喜んで「嘉島」と改名されたと言われています。この名前の由来には、島の歴史的な背景が色濃く反映されています。

生活・産業

この島の集落は、冬季の強風から避けやすい東側に集中しています。古くからの水不足が課題であり、1972年には海水淡水化装置が設置され、現在は津島水道企業団から山財ダムを通じて給水を受けています。この取り組みにより、住民は安定した水源を得ることができています。

かつて嘉島では、段畑を利用した甘藷や麦の栽培が行われていましたが、人口が減少するにつれて農業生産は大きく減少しました。1960年には32ヘクタールあった耕地面積が、1975年にはわずか6ヘクタールにまで縮小しています。このような状況の中で、漁業も重要な産業として生き残っており、特にいわし漁が盛んでしたが、近年ではハマチの養殖が主流となっています。

教育

教育面では、宇和島市立嘉島小学校が設置されているものの、現在は休校中です。中学校は島外に位置する宇和島市立城南中学校に通う必要があり、学生たちはそこで寄宿生活を送っています。以前は宇和海中学校に通っていましたが、2014年度に閉鎖されました。

行政

嘉島は宇和島市の行政区画に属しています。島には診療所も設けられており、地域住民の健康管理が行われています。行政としての基盤がしっかりしているため、地元の生活環境は整備されています。

交通

交通手段としては、盛運汽船が宇和島港との間に定期航路を運航しています。この航路は住民や観光客にとって、島と本土を結ぶ重要な交通手段となっています。

自然

嘉島は自然環境も豊かで、少なくとも2種の野生哺乳類が生息しています。そして蚊類も3種確認されています。このような多様な生態系は、地域にとって大切な資源であり、自然観察や観光にも活用されています。

まとめ

嘉島は、その歴史、産業、教育制度や交通手段など、様々な側面から成り立っている独自の地域です。今後も自然環境を大切にしながら、地域の活性化が進んでいくことが期待されます。

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