噫小西巡査

『噫小西巡査』は、1922年（大正11年）に製作・公開された日本の長編サイレント映画であり、衣笠貞之助と内田吐夢が共同で監督を務めた作品です。この映画は、当時「日活新派」と呼ばれ、現代劇を数多く制作していた日活向島撮影所を舞台にしています。

当時、女形俳優として活躍していた衣笠貞之助は、撮影所を離れて舞台巡業を始めていました。一方、日活から独立し、牧野教育映画製作所を設立していた牧野省三は、日活からの依頼で衣笠を説得し、彼を預かり、初の監督作品を撮らせることになりました。それが、この『噫小西巡査』です。

この映画は、1922年10月29日に日活の配給で、浅草公園六区の三友館を皮切りに公開されました。しかし、東京国立近代美術館フィルムセンターやマツダ映画社にも、本作のプリントは所蔵されておらず、衣笠と内田のダブルデビュー作でありながら、現在では鑑賞することが非常に困難な作品となっています。

作品情報

監督: 衣笠貞之助、内田吐夢
脚本: 不明
撮影: 金森万象
製作: 牧野教育映画製作所
上映時間: 60分（6巻）
フォーマット: 白黒映画、スタンダードサイズ（1.33:1）、サイレント映画
公開日: 1922年10月29日（日本）
配給: 日活
初回興行: 浅草・三友館

出演者

本間直司
衣笠貞之助
小泉嘉輔
森きよし
渡辺篤

この映画は、衣笠貞之助が女形俳優から映画監督へと転身するきっかけとなった作品であり、内田吐夢にとっても映画監督としての第一歩を踏み出した重要な作品です。しかし、現存するフィルムがないため、その全貌を知ることはできません。映画史における貴重な作品として、その所在が確認されることが待たれます。

外部リンク

Aa, Konishi junsa - IMDb（英語）
噫小西巡査 - 日本映画データベース
* 噫小西巡査 - IMDb（英語）

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