噺家カミサン繁盛記

『噺家カミサン繁盛記』は、落語家十代目柳家小三治の妻、郡山和世によるエッセイであり、後にテレビドラマ化もされました。この作品は、和世自身の視点から、彼女の生い立ち、落語家との出会い、そして結婚生活をユーモラスに描いています。エッセイは1990年に講談社から出版され、1999年には文庫版も発行されました。

エッセイの内容は、江戸っ子で医者の娘として育った和世が、落語家という特殊な職業の男性と結婚し、その生活をどのように送ってきたのかを、江戸言葉を交えながら語るものです。彼女の視点から描かれる落語家の日常や、夫婦の機微は、読者に新鮮な驚きと共感を呼び起こします。

テレビドラマ版は、フジテレビ系列の『妻たちの劇場』で、1991年11月4日から12月13日まで放送されました。ドラマでは、小三治の二つ目昇進から結婚、そして弟子たちとの人間関係が描かれています。特筆すべきは、ドラマでは小三治本人は出演していない点です。全30回で放送されました。

ドラマの主なキャストは以下の通りです。

村山和代 / 吉岡和代（おかみさん）役：清水由貴子
かえる家小三太 / 小はん太（吉岡厚造）役：梨本謙次郎
村山かな江（和代の母）役：茅島成美
村山正三（和代の父、医者）役：加藤武
森之家喜久助 / 青葉亭喜久丸（落語家、小はん太の親友）役：松尾貴史
かえる家小判（落語家、小はん太の先輩・兄弟子）役：石井洋祐
かえる家小天（落語家、小はん太の後輩・弟弟子）役：柳家九治（現・7代目柳亭燕路）
かえる家文太 / 伊藤文次郎（小はん太の一番弟子）役：湯江健幸（現・湯江タケユキ）
かえる家おい太 / 下山浩（小はん太の二番弟子）役：瀬戸陽一朗
かえる家小雄太 / 雄三（小はん太の三番弟子）役：毛利賢一（現・ケンイチ大倉）
山下ひろみ（和代の親友）役：棟里佳
野中千代子（村山医院の看護婦）役：鷲見利恵
正紀（和代の子供）役：荘田優志（第11回～第29回）、三浦光（最終回のみ）
山上（喫茶店ＰＯＴのマスター）役：きたろう
かえる家小はん（小はん太の師匠）役：3代目古今亭志ん朝
敏子（小はん師匠のおかみさん）役：野際陽子

ドラマの主なスタッフは以下の通りです。

原作：郡山和世
企画：遠藤龍之介（フジテレビ）
プロデューサー：柴田徹、蒔田光治、安念正一
音楽：渡辺博也
* 制作：フジテレビ、東宝株式会社

ドラマの主題歌は、早見優が歌う『ONE FINE DAY』です。作詞・作曲はキャロル・キング＆ジェリー・ゴフィン、編曲は岡本洋が担当しました。

この作品は、落語の世界と夫婦の日常を温かく、そして時にコミカルに描いています。エッセイとドラマ、それぞれの形で、読者や視聴者に愛され続けている作品です。

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