囚人へのペル・エム・フル
『囚人へのペル・エム・フル』は、1998年にフリーソフトとして公開されたRPGツクールDante98 II製のホラーRPGです。作者は八百谷真氏、音楽は水穂恵氏が担当しました。コンテストパークではプラチナ賞を受賞、アスキーエンタテインメントソフトウェアコンテストでもアスキーツクール作品賞を獲得するなど、高い評価を得ています。
本作の舞台はエジプトのピラミッド内部。プレイヤーは、罠を回避しながら生還を目指します。RPGツクール製のゲームですが、敵との戦闘やレベル上げの要素は少なく、アドベンチャーゲームとしての側面が強いのが特徴です。当時の環境ではトップクラスの美麗なドット絵と、高レベルなグラフィックで描かれたスプラッター描写、練り込まれた人物描写、そして独自のゲームシステムが、多くのプレイヤーを魅了しました。作者の八百谷真氏は、後に『RPGツクール2000』でサンプルゲーム『III』を、『RPGツクールXP』で同じくサンプルである『ししむら』を手がけています。2010年には、コミックマーケット78で『"ネタバレ"ガイドブック付き公式パッケージ』として再頒布されました。
本作の最大の特徴は「行動システム」です。プレイヤーは状況に応じて「取る」「押す」「しゃがむ」といった行動を選択し、罠を回避していきます。適切な行動を取らない、あるいはタイミングを逸すると罠を回避できず、仲間が命を落としてしまいます。仲間を死なせてしまうと、後々悲惨なイベントが発生します。
考古学者の土田教授は、エジプトのピラミッド内部で未知の空間を発見します。しかし、そこには侵入者を拒む危険な罠が張り巡らされていました。貴重な遺跡がエジプト政府に渡ることを恐れた土田教授は、近くにいた観光客たちを騙してピラミッドに連れ込みます。彼らは「罠よけ」として利用されることになりました。
登場人物たちはそれぞれ隠された「罪」を抱えており、ピラミッドの罠によって裁かれることになります。
朝木 歩人（あさき あゆと）
本作の主人公であり、プレイヤーが操作するキャラクターです。高校生で、卒業旅行でエジプト観光ツアーに参加しました。危険を恐れない強さを持つ好青年ですが、自分の人生に現実感を持っていない一面があります。物語が進むにつれて成長し、現実と向き合うようになります。『死者への冒涜』を罪として裁かれますが、自力で跳ね除けます。
日野 今日介（ひの きょうすけ）
歩人の同級生で、熱血漢です。感情的になりやすい性格で、葉子に好意を抱いています。物語の重要な鍵を握る人物ですが、ピラミッドの裁きを受けることはありません。
市川 寧（いちかわ ねい）
歩人たちの同級生で、本作のヒロインです。明るく気が強い性格ですが、歩人に対して嫉妬心を抱いています。その『嫉妬』を遺跡に裁かれます。生還すると、歩人に対して少し積極的になります。
乃木坂 葉子（のぎさか ようこ）
歩人たちの同級生で、お嬢様タイプです。優しく誰にでも接しますが、それは自己防衛のためでもあります。過去に万引きをしたことがあり、その『窃盗』を遺跡に裁かれます。後に『RPGツクールXP』のサンプルゲーム『ししむら』にも登場します。
月原 倫（つきはら りん）
小学生の女の子です。生意気な性格で嘘をつきますが、それは他人を気にしたいがためです。その『嘘』を遺跡に裁かれます。救出に成功すると、歩人に懐くようになります。
光栄寺 満（こうえいじ みつる）
大学生で肥満体です。面倒くさがりでマイペースな性格です。メンバーの中では影が薄く、『怠惰』の罪で遺跡に裁かれます。救出に失敗しても、あるイベントまでは生死不明の扱いとなります。
音樹 冴（おとぎ さえ）
ツアーコンダクターの女性です。真面目な性格で、ツアー客の安全を第一に考えています。裏では薬物ブローカーとしての顔を持っており、その『金欲』を遺跡に裁かれます。生還後には自首することを歩人に告げます。
水見 壮司（みずみ そうじ）
報道カメラマンです。落ち着いた態度ですが、己の欲望に忠実な腹黒い性格です。冴の違法行為を知り、関係を迫っており、その『姦淫』を遺跡に裁かれます。
篠田 早織（しのだ さおり）
高校生の少女です。美人ですが、攻撃的な態度をとり、心を許しません。自虐的な行動も多く、救出に失敗すると自殺してしまいます。彼女のみ、遺跡によって罪を裁かれたのではなく、自らの意思で死を選びます。
土田教授（つちだ きょうじゅ）
考古学者です。豊富な知識と行動力を持っていますが、目的のためなら手段を選ばない非道な性格です。歩人たちをピラミッドに連れ込んだ張本人です。過去に医療免許を持たない黒江に娘の治療を断られたことを恨んでおり、彼に復讐を果たそうとしますが、その『殺人』を現行犯で裁かれて死亡します。
黒江 浩二（くろえ こうじ）
土田教授の助手で、医師です。紳士的ですが、名誉や金のために行動します。土田教授に娘を助けられなかったことを恨まれており、最終的に射殺されます。
本作は、ツクール製のホラーゲームとして『コープスパーティー』と並び称されることが多いです。
囚人へのペルエムフル (@syuperu) - X（旧Twitter）
囚人へのペル・エム・フル 公式サイト - ウェイバックマシン
八百谷真「ゲーム作りは欲求不満放出の場」（代表作：『囚人へのペル・エム・フル』） - ウェイバックマシン
「キャラ死亡時の演出の凄惨さは当時としては秀逸」『囚人のペル・エム・フル』【ホラゲレビュー百物語】
ゲーム概要
本作の舞台はエジプトのピラミッド内部。プレイヤーは、罠を回避しながら生還を目指します。RPGツクール製のゲームですが、敵との戦闘やレベル上げの要素は少なく、アドベンチャーゲームとしての側面が強いのが特徴です。当時の環境ではトップクラスの美麗なドット絵と、高レベルなグラフィックで描かれたスプラッター描写、練り込まれた人物描写、そして独自のゲームシステムが、多くのプレイヤーを魅了しました。作者の八百谷真氏は、後に『RPGツクール2000』でサンプルゲーム『III』を、『RPGツクールXP』で同じくサンプルである『ししむら』を手がけています。2010年には、コミックマーケット78で『"ネタバレ"ガイドブック付き公式パッケージ』として再頒布されました。
ゲームシステム
本作の最大の特徴は「行動システム」です。プレイヤーは状況に応じて「取る」「押す」「しゃがむ」といった行動を選択し、罠を回避していきます。適切な行動を取らない、あるいはタイミングを逸すると罠を回避できず、仲間が命を落としてしまいます。仲間を死なせてしまうと、後々悲惨なイベントが発生します。
ストーリー
考古学者の土田教授は、エジプトのピラミッド内部で未知の空間を発見します。しかし、そこには侵入者を拒む危険な罠が張り巡らされていました。貴重な遺跡がエジプト政府に渡ることを恐れた土田教授は、近くにいた観光客たちを騙してピラミッドに連れ込みます。彼らは「罠よけ」として利用されることになりました。
登場人物
登場人物たちはそれぞれ隠された「罪」を抱えており、ピラミッドの罠によって裁かれることになります。
朝木 歩人（あさき あゆと）
本作の主人公であり、プレイヤーが操作するキャラクターです。高校生で、卒業旅行でエジプト観光ツアーに参加しました。危険を恐れない強さを持つ好青年ですが、自分の人生に現実感を持っていない一面があります。物語が進むにつれて成長し、現実と向き合うようになります。『死者への冒涜』を罪として裁かれますが、自力で跳ね除けます。
日野 今日介（ひの きょうすけ）
歩人の同級生で、熱血漢です。感情的になりやすい性格で、葉子に好意を抱いています。物語の重要な鍵を握る人物ですが、ピラミッドの裁きを受けることはありません。
市川 寧（いちかわ ねい）
歩人たちの同級生で、本作のヒロインです。明るく気が強い性格ですが、歩人に対して嫉妬心を抱いています。その『嫉妬』を遺跡に裁かれます。生還すると、歩人に対して少し積極的になります。
乃木坂 葉子（のぎさか ようこ）
歩人たちの同級生で、お嬢様タイプです。優しく誰にでも接しますが、それは自己防衛のためでもあります。過去に万引きをしたことがあり、その『窃盗』を遺跡に裁かれます。後に『RPGツクールXP』のサンプルゲーム『ししむら』にも登場します。
月原 倫（つきはら りん）
小学生の女の子です。生意気な性格で嘘をつきますが、それは他人を気にしたいがためです。その『嘘』を遺跡に裁かれます。救出に成功すると、歩人に懐くようになります。
光栄寺 満（こうえいじ みつる）
大学生で肥満体です。面倒くさがりでマイペースな性格です。メンバーの中では影が薄く、『怠惰』の罪で遺跡に裁かれます。救出に失敗しても、あるイベントまでは生死不明の扱いとなります。
音樹 冴（おとぎ さえ）
ツアーコンダクターの女性です。真面目な性格で、ツアー客の安全を第一に考えています。裏では薬物ブローカーとしての顔を持っており、その『金欲』を遺跡に裁かれます。生還後には自首することを歩人に告げます。
水見 壮司（みずみ そうじ）
報道カメラマンです。落ち着いた態度ですが、己の欲望に忠実な腹黒い性格です。冴の違法行為を知り、関係を迫っており、その『姦淫』を遺跡に裁かれます。
篠田 早織（しのだ さおり）
高校生の少女です。美人ですが、攻撃的な態度をとり、心を許しません。自虐的な行動も多く、救出に失敗すると自殺してしまいます。彼女のみ、遺跡によって罪を裁かれたのではなく、自らの意思で死を選びます。
土田教授（つちだ きょうじゅ）
考古学者です。豊富な知識と行動力を持っていますが、目的のためなら手段を選ばない非道な性格です。歩人たちをピラミッドに連れ込んだ張本人です。過去に医療免許を持たない黒江に娘の治療を断られたことを恨んでおり、彼に復讐を果たそうとしますが、その『殺人』を現行犯で裁かれて死亡します。
黒江 浩二（くろえ こうじ）
土田教授の助手で、医師です。紳士的ですが、名誉や金のために行動します。土田教授に娘を助けられなかったことを恨まれており、最終的に射殺されます。
脚注
本作は、ツクール製のホラーゲームとして『コープスパーティー』と並び称されることが多いです。
外部リンク
囚人へのペルエムフル (@syuperu) - X（旧Twitter）
囚人へのペル・エム・フル 公式サイト - ウェイバックマシン
八百谷真「ゲーム作りは欲求不満放出の場」（代表作：『囚人へのペル・エム・フル』） - ウェイバックマシン
「キャラ死亡時の演出の凄惨さは当時としては秀逸」『囚人のペル・エム・フル』【ホラゲレビュー百物語】
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