四季美谷温泉

四季美谷温泉の概要

四季美谷温泉（しきびだにおんせん）は、徳島県那賀郡那賀町に位置し、地域が運営する唯一の温泉宿泊施設です。2025年1月現在、休業中となっていますが、歴史や特色を知ることで、地域の魅力を感じられる場所です。

歴史

この温泉の歴史は江戸時代にまで遡ります。那賀川の支流、坂州木頭川の近く、新居田の滝の対岸に位置し、以前から温泉が湧出していたことが文献から確認できます。1812年には元木維然の著作『燈下録』において、櫁谷温泉と呼ばれていたことが記されています。また、1800年代前半の記録『阿波国漫遊記』によると、樒谷と木屋平を結ぶ三里の道の途中には5軒の温泉が所在していたものの、すでに廃業していたことが伝えられています。

温泉施設の発展

1982年、木沢村が3000万円の予算を投じて村営の温泉施設『老人憩の家』を建設し、1983年に営業を開始しました。この施設は男女別の浴場、広間、休憩室を備えた平屋建てで、年間8500人程度の利用者が訪れていました。しかし、施設の老朽化が進むにつれ、現在の四季美谷温泉が建設されることになります。

新たな施設の建設には総事業費約10億円が必要で、第三セクターの株式会社四季美谷温泉によって運営されることになりました。2001年に開業した新施設は、敷地面積3832平方メートル、延べ床面積1522平方メートルの2階建てで、男女浴場に加えて宿泊施設とレストランが併設されています。

自然災害と経営の変遷

2004年8月には、台風10号による大量の雨で土砂崩れが発生し、ここに宿泊していた約20人が3日間孤立するという事態もありました。2020年11月には、コロナ禍と累積赤字の影響で運営が困難となり、同月29日に休業を余儀なくされました。

その後、2021年3月にノヴィルが新しい指定管理者に選ばれ、4月から営業再開しましたが、赤字が続きました。このため、2024年4月には再び休業となることが決定しました。

温泉の特徴

四季美谷温泉は単純硫黄泉で、リラックス効果や美肌効果が期待されています。開放感のある空間で、訪れる人々に癒しを提供することを目指しています。

アクセス

アクセスは、徳島自動車道「徳島インターチェンジ」からおおよそ140分ほど車でかかります。自然に囲まれた美しい環境に位置しているため、ドライブしながら訪れるのも良いでしょう。

四季美谷温泉は、その歴史や地域に根ざした温泉文化を体感できる貴重な施設です。今後の再開が待たれる場所でもあります。

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