四式自動小銃

四式自動小銃（Type 5）

四式自動小銃、またの名をType 5は、1944年に日本の海軍によって開発された半自動小銃です。この銃は、アメリカ製のM1ガーランドを基に設計され、その特性や設計においていくつかの違いがあります。主に使用する弾薬は、多くの現代的な武器と比較して独特であり、7.7mm弾を使用します。この弾薬は日本軍の他の武器とも互換性を持たせるための選択でした。

设计上的特徴

四式自動小銃は、M1ガーランドとは異なり、5連発ストリッパー・クリップを使用した箱型固定弾倉を備えており、1度に10発の弾薬を装填できる構造です。この点により、M1ガーランドのエンブロック・クリップの必要がなく、より簡便なフィードシステムが実現されました。また、リアサイトはタンジェント・サイトという形式を取り、従来の日本製軍用小銃と同様に、前後のスライドで上下の調整が可能です。

四式自動小銃は当初、落下傘部隊に配布することを目指して設計されましたが、太平洋戦争末期という混乱した時代の影響で、試作の段階にとどまりました。これが本格的な生産に至らなかった最大の理由です。実際には、ごく限られた数しか完成されませんでした。

半自動小銃の歴史

本銃の開発の歴史は、1930年代にさかのぼります。日本の軍部は戦前から半自動小銃の開発に着手していましたが、満足できる性能を持つものは出てこなかったのが現実です。日中戦争の勃発により、主力の歩兵銃の生産が優先され、半自動小銃に関するプロジェクトはしばらく中断されました。

1943年頃、海軍はアメリカのM1ガーランドの設計を基にした弾薬仕様のモデルに着手しました。評価用の試作銃の成功を受けて、四式自動小銃としての具体的設計が行われました。開発は横須賀海軍工廠で行われ、基本的には機関銃や機関砲製造の合間を縫って進行しました。

実地試験と評価

実地でのテストも行われたものの、部品の破損や給弾不良といった問題が多々報告されました。それでも、一定の成功を見込み、生産へと進む予定が立てられました。しかし、横須賀海軍工廠での生産能力が不足していたため、愛知県のワシノ製機に生産を依頼する計画が進められましたが、部品の製造設備が不十分で、実際には少量の完成品も期待できなかったのが問題でした。

結局のところ、四式自動小銃の完成品は限定的で、報告では100〜150丁ほどが組み立てられたとされています。多くは戦後にアメリカ軍によって回収され、日本国内においてはほとんど見かけなくなりました。

戦後の影響

四式自動小銃は戦後の日本においても一定の技術的影響を及ぼしました。特に、64式小銃の開発において関わった技術者たちが本銃の設計に携わった経験を生かしているなど、後の設計や製造に対する重要な基盤となったとされています。一方で、デッドコピーとの批判もあり、その評価には賛否が存在しました。

まとめ

四式自動小銃は、大日本帝国海軍がアメリカのM1ガーランドを基にして試作した新しい小銃としての歴史を持っています。数多くの試験や議論はあったものの、実戦での使用には至らず、戦後にその跡形も見えづらくなっています。しかし、銃器としての技術や戦争の歴史の一端を担う存在であることは疑いのない事実です。

もう一度検索