四条河原町阪急

四条河原町阪急の歴史と特徴

四条河原町阪急は、京都市下京区に位置していた百貨店で、阪急阪神百貨店が運営していました。1976年に開店し、2010年までの34年間、多くの人々に親しまれていました。この店舗は、阪急京都本線の河原町駅と直結しており、繁華街の中心地である四条河原町の交差点に面した絶好のロケーションにあったため、待ち合わせの名所として知られていました。

店舗の概要

この百貨店は、京都住友ビルの地階から6階までのスペースを占めており、7階と8階には、エイチ・ツー・オー リテイリング傘下の阪急商業開発が運営する「モザイクダイニング四条河原町」が展開されていました。百貨店が閉店した後も、住友不動産が運営する「FOOD HALL」がオープンするまで、このレストラン街は営業を続けました。京都の主要百貨店として、大丸や髙島屋といった伝統的な呉服系店舗に対抗する形で、阪急は初の電鉄系百貨店として開業したのです。

開業とその後の成長

開業当初、阪急河原町は阪急ブレーブスの応援セールを行い、話題となりました。また、開店の翌年には、近隣の百貨店も応援セールを実施し、この新たな流行が広がる要因となりました。店舗の現状は、大丸や髙島屋などと比べて小規模でしたが、1970年代後半から1980年代にかけて、特に若者層をターゲットにした独自の戦略でデザイナーズブランドを数多く取り揃え、1991年の売上高は約171億円に達しました。

競争の激化と経営の変化

しかし、デザイナーズブランドの人気が衰えると、若者向けに特化した戦略は結果的に競合店に対して劣位に立ちました。また、京都市内での競争が激化し、特に京都駅周辺の集客力が高まる一方、阪急河原町駅の乗降客数は減少していきました。2000年代初頭からは、業績が下降し、改装を行ったものの効果が薄く、最終的には赤字が続く状況となりました。

閉店とその後の影響

2010年8月22日、四条河原町阪急は閉店しました。閉店の際には、ビルの所有者である住友不動産との賃貸契約が切れる前に決まったもので、その後には丸井が新たに出店することが発表されました。丸井が入居することになった後も、跡地には様々な企業が出店を希望しましたが、2021年5月には家電量販店のエディオンを核とした「京都河原町ガーデン」が開業しました。

「世界地図」の残像

四条河原町阪急の入口横には、長年人々に親しまれた「世界地図」がありました。閉店後も、この地図は新たな商業施設に移され、その面影を残しています。このように、四条河原町阪急は多くの人々の記憶に残る存在であり続けています。

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