四條畷市歌「いま ここに」

四條畷市歌「いま ここに」

大阪府の東部に位置する四條畷市の公式な歌は、「いま ここに」という名称で親しまれています。この市歌は、四條畷市によって平成2年（1990年）7月に正式に定められました。歌詞は金堀則夫氏による応募作に島田陽子氏が補作詞を加え、作曲は著名な音楽家であるキダ・タロー氏が担当しています。

制定の背景

四條畷市は、昭和45年（1970年）に市制を施行しました。しかし、その後長らく市歌を持たない状態が続いていました。昭和の終わりを迎える頃、大阪府内の多くの市町村が既に独自の歌を制定している中、四條畷市は隣接する交野市や大東市と同様に、市歌を有していない数少ない自治体の一つでした。市制施行から20年を迎えるにあたり、市のさらなる発展と一体感を醸成するための象徴として、市歌を制定しようという機運が高まりました。

制定過程と作者たち

市歌の制定は、市制施行20周年の記念事業として位置づけられました。まず、市歌の歌詞を市民から広く募集する懸賞公募が実施されました。多くの応募作品の中から、金堀則夫氏による歌詞が選ばれ、その後の補作詞を詩人としても活躍する島田陽子氏が手掛けました。こうして、市歌のメッセージとなる言葉が紡ぎ出されました。

楽曲の制作は、数多くのテレビ番組テーマ曲やコマーシャルソングを手掛け、そのメロディーメーカーとして広く知られるキダ・タロー氏に依頼されました。キダ氏は、四條畷市に深い思い入れがあったと伝えられています。この地は、南北朝時代の悲劇の武将として知られる楠木正行公、通称「小楠公」が祀られている四條畷神社の所在地であり、正行公が父・正成公と今生の別れを遂げた「桜井の別れ」の故事にゆかりのある場所です。キダ氏は正行公の存在に強く心を寄せ、市歌作曲の依頼を快諾したとされています。彼の感性によって、四條畷の歴史や風土、そして未来への希望を表現する旋律が生まれました。

市内での活用

制定された四條畷市歌「いま ここに」は、現在も市内で様々な形で活用され、市民に親しまれています。例えば、四條畷市役所の庁内では、一日の業務の開始時である始業時刻と、終了時である終業時刻に市歌が放送されています。これにより、職員は市歌のメロディーと共に一日を始め、終えることになります。

また、市民生活における市歌の存在感を示すものとして、防災無線を通じた放送があります。毎日正午になると、市内に設置された防災無線から市歌の1番のメロディーが流されます。これは単に時間を知らせるだけでなく、市民が日常の中で市の歌に触れる機会を提供し、地域への愛着や一体感を育む役割も果たしています。

まとめ

四條畷市歌「いま ここに」は、市制20周年の節目に、市民参加による歌詞公募と著名な音楽家の手によって生まれた歌です。市の歴史や文化、そして未来への展望が込められたこの歌は、市役所での放送や防災無線を通じて、今もなお四條畷市民の生活に寄り添い、市の象徴として歌い継がれています。そのメロディーと歌詞は、四條畷という地域への誇りと愛着を改めて感じさせてくれるものです。

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