四海樓 (中華料理店)

四海樓の概要

四海樓（しかいろう）は、長崎県長崎市に位置する中華料理店であり、同市に本社を構える株式会社です。この店は、ちゃんぽんや皿うどんの創始者として広く知られており、長い歴史を有しています。

歴史的背景

四海樓の創業者は陳平順氏で、1892年に清国福建省から来日しました。彼は当初、反物の行商を行っていましたが、日清戦争の影響によって多くの仲間が帰国していく中、長崎に留まることになりました。1899年、陳氏は旅館兼飲食店として「四海樓」を開店しました。この店名には「四海の平和を願う」という意味が込められています。

創業当初から、四海樓は地元の人々に愛されてきました。明治後期から大正時代にかけてはカフェも経営し、地元民から「上海クラブ」と呼ばれるほど活気に満ちていました。長崎港に寄港した外国船の乗組員や医学生、造船所の技師たちが足を運び、多くの賑わいを見せていました。

特に、1917年には長崎に住んでいた著名な俳人・斎藤茂吉が店を訪れ、翌年には芥川龍之介や菊池寛も来店したことがあります。彼らは四海樓を利用して遠方からの客をもてなしました。

しかし、1944年に戦争の影響で一時閉店を余儀なくされましたが、1951年には同じ場所で営業を再開。さらに1973年に現在の松が枝町に移転し、2000年には更なる店舗改築を行い、現存する店舗が開店しました。

ちゃんぽんの誕生

四海樓の特徴として知られるちゃんぽんは、陳氏が中国から留学生のために考案した料理です。留学生たちの貧しい食生活を改善するため、福建料理の湯肉絲麺をアレンジしたことが始まりです。当初は「支那うどん」という名称で提供されていました。

「ちゃんぽん」という名称の由来にはいくつかの説があります。福建語の「吃飯（シャポン）から来ているという説や、音の組み合わせに基づく説が存在します。いずれにしろ、ちゃんぽんは地域に根付いた料理として評価されています。

ちゃんぽんミュージアム

四海樓の2階には、2000年にオープンしたちゃんぽんミュージアムがあります。このミュージアムでは、ちゃんぽんに関する貴重な資料や歴史的な展示が行われています。ここで、訪れる人々はちゃんぽんの文化や歴史を学ぶことができます。

アクセスと所在地

四海樓の所在地は長崎県長崎市松が枝町4番5号です。アクセス方法は次の通りです。

• - 長崎電気軌道の大浦天主堂電停から徒歩約2分。
• - JR九州長崎駅から車で約10分。
• - ながさき観光ルートバスグラバー園停留所から徒歩約1分。
• - 長崎バスの60系統の大浦天主堂下停留所から徒歩約2分。
• - 長崎バスの30・40系統の松ヶ枝国際ターミナル停留所から徒歩約3分。

このように、四海樓は長崎市で愛され続ける中華料理店として、多くの観光客や地元の人々に親しまれています。

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