四辻宮

四辻宮（よつつじのみや）は、鎌倉時代に存在した日本の皇室における宮家の一つです。

概要

順徳天皇の皇子である善統親王を初代として創設されました。宮号の由来は、善統親王を養育した義祖母、脩明門院（藤原重子）の邸宅であった「四辻御所」にちなみます。

宮家の初例

善統親王の皇統は、脩明門院の所領を伝領し、これに合わせて「四辻宮」の宮号を継承しました。当時、傍系の皇族は在所から取った「御称号」を名乗るのが通例であり、その名称は個人によって異なっていました。しかし、四辻宮においては、特定の所領に付随する形で、初めて同一の称号が直系卑属に継承される形が取られました。これは、皇室の構成における「宮号」と、それを継承する「宮家」の最初の事例であると言えます。宮内庁も、四辻宮を宮家の端緒であるとみなしています。

終焉

3代目の善成の子、松蔭常宗が応永14年（1407年）に亡くなった後、子孫や邸宅・所領の相続などに関する記録は不明であり、四辻宮を名乗る人物も確認されていません。

系図

（ここでは系図の記載は省略します。）

参考文献

今谷明「中世の親王家と宮家の創設」『歴史読本』2006年11月号

関連項目

宮家
* 岩倉宮 - 鎌倉時代から存在したもう1つの宮家

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