回し蹴り

回し蹴り（まわしげり）について

回し蹴りとは、中国[[武術]]や空手、テコンドー、キックボクシング、ムエタイ、カポエイラ、さらにはプロレスにおいて広く使用される蹴りのテクニックです。この技は、時にラウンド・キックとも呼ばれ、さまざまな格闘技で重要な役割を果たしています。

様々な呼び名

この蹴り技は、各武道において異なる名称で呼ばれています。中国[[武術]]では「旋体脚」（せんたいきゃく）、テコンドーでは「トルリョ・チャギ」、ムエタイでは「テツ」または「テ」と称されます。一般的には、ハイキック、ミドルキック、ローキックといった段階に分かれ、これらはそれぞれ上段、中段、下段の回し蹴りを指します。

技の入り方

回し蹴りは、膝を抱え、腰を回転させながら脚を横から振り上げて行う技です。蹴りをする際には、足の甲や脛、または上足底を使って相手の体のさまざまな部位（例えば、腹部や頭部）を狙います。この技を成功させるためには、支持足（軸足）をしっかりと基盤としつつ、体重をうまく移動する必要があります。このため、バランスを保ちながら円運動を行うことは高度な技術を要します。

衝撃力の高め方

回し蹴りの効果を最大限に引き出すためには、いくつかの条件があります。特に、キックのインパクト時に蹴り足を垂直に引っ張り、膝を曲げた状態で正確に相手に当てることが重要です。具体的には、巻足を後方にためてから、中心線を越えて巻足を開く動作が求められます。支持足も蹴り足の方向に向けてしっかりと支えることが、威力を高めるポイントとなります。

テコンドーにおいては、インパクト時における膝関節の伸展の寄与が約60%を占めるとされています。蹴りのスピードを向上させるためには、下半身の回旋や股関節の屈曲を的確に調整し、膝関節の力を適切に生み出すことがカギです。

実際の利用

回し蹴りは、K-1やキックボクシングなどの競技で多く見られる蹴り技です。高い威力を持ちながら素早い動きが可能であるため、対戦相手を倒すためにしばしば使用されます。しかし、前蹴りに比べると股関節の柔軟性が求められるため、足や脛を痛めるリスクもあります。特に高い打点を狙うと、金的が無防備になり、相手にかわされてしまう危険性があります。さらに、蹴り足や軸足を取られて投げられる可能性もあり、回し蹴りを使用する際にはリスクを理解することが重要です。

横に大きく振るタイプの回し蹴りは、古代の琉球空手や古式ムエタイなどの伝統的な武道や、総合格闘技でのテイクダウンを行う際にはあまり利用されることはありません。

結論

回し蹴りは、その威力と技術の複雑さが特徴です。多くの武術で使用されるこの技は、習得するのに高い技術と絶え間ない練習が必要です。正しい方法を身につけることで、リスクを軽減し、効果的に相手を攻撃する強力な武器となるでしょう。

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