囲碁のアマチュア棋戦

アマチュア囲碁棋戦

アマチュア囲碁棋戦は、プロ棋士や院生が参加できない囲碁大会です。プロを目指す若者から、趣味として囲碁を楽しむ人々まで、幅広い層が参加しています。ここでは、アマチュア棋戦の種類や特徴、注目の大会について解説します。

参加資格

原則として、プロの棋士および院生はアマチュア棋戦に参加できません。院生経験者については、一定期間アマチュア棋戦への出場が制限される場合があります。ただし、一部の国際棋戦（グロービス杯世界囲碁U-20など）では、プロ制度がない国のアマチュア選手であれば参加できる場合があります。

主な棋戦

世界個人戦

世界アマチュア囲碁選手権戦
1979年に開始された、最も権威のあるアマチュア世界大会の一つです。マクマホン式トーナメントで全6局を戦い、1日1局のペースで行われます。日本代表は囲碁アマチュア竜星戦の優勝者が選ばれます。過去の優勝者の国籍は、中国が最も多く、次いで日本、韓国となっています。
持ち時間は1時間、使い切ると30秒の秒読みを3回行います。
国務総理杯世界アマチュア囲碁選手権戦
2006年から韓国で開催されている棋戦です。世界各国・地域から代表選手が集まり、アマチュア世界一を争います。複数回優勝した選手はおらず、韓国と中国の選手が優勝を分け合っています。
持ち時間は1時間、使い切ると30秒の秒読みを3回行います。
世界青少年囲碁選手権大会
1984年から台湾で開催されている、青少年を対象とした棋戦です。12歳以下の少年組と16歳以下の青年組に分かれて競技が行われます。少年組では中国と韓国、青年組では中国の選手が多くの優勝を飾っています。

国内個人戦

囲碁アマチュア竜星戦（世界アマ日本代表決定戦）
全国ケーブルテレビ局選抜囲碁選手権大会として始まり、後に現在の名称となりました。全国大会の優勝者は世界アマチュア囲碁選手権戦への出場権を、ベスト4以上はプロ棋戦である竜星戦の予選への出場権を得られます。
全日本アマチュア本因坊戦
各都道府県の代表選手と招待選手が参加する、伝統ある棋戦です。優勝者はプロの本因坊と対局する機会を得られます。上位入賞者はプロ棋戦の阿含・桐山杯に出場できます。
持ち時間は1時間です。
朝日アマチュア囲碁名人戦
各都道府県の代表選手と招待選手が参加し、アマチュア名人の座を争います。優勝者はプロの名人と対局する機会を得られます。
持ち時間は40分、使い切ると1手30秒の秒読みとなります。
赤旗名人戦
都道府県代表と招待選手が参加する棋戦です。全国大会では予選リーグと決勝トーナメントが行われます。
宝酒造杯囲碁クラス別チャンピオン戦
参加者のレベルに合わせてクラス分けされた、大規模なアマチュア棋戦です。各クラスの優勝者は全国大会に出場できます。
ネット棋聖戦
インターネットを通じて行われる棋戦です。SAクラスでは、アマチュア主要大会ベスト8以上の実績がないと参加できません。上位入賞者はプロ棋戦である棋聖戦への出場権を得られます。
SAクラスの持ち時間は60分、使い切ると1手30秒の秒読みとなります。

女流棋戦

全日本女流アマチュア囲碁選手権大会
都道府県予選を勝ち抜いた選手とシード選手が参加し、女流アマチュアNo.1を決定します。
持ち時間はリーグ40分切れ負け。本戦トーナメント40分、使い切ると1手30秒の秒読みとなります。

ペア棋戦

国際アマチュア・ペア碁選手権大会
日本国内および海外の代表ペアが出場する棋戦です。男女ペアで力を合わせて勝利を目指します。
持ち時間は本戦が60分、「公式ハンデ戦」が40分で、切れ負けとなります。

団体戦

朝日アマ囲碁団体十傑戦
3人1組で参加する団体戦です。段級に応じたハンデ戦が行われます。
持ち時間は40分切れ負けです。
アマチュア囲碁団体戦
3人1組で参加する団体戦です。無差別戦とクラス別戦があります。
持ち時間は40分切れ負けです。
オールアマ囲碁団体戦
5人1組で参加する団体戦です。無差別戦とクラス別戦があります。
持ち時間は40分切れ負けです。

小・中学生棋戦

文部科学大臣杯少年少女囲碁大会
小学生の部と中学生の部に分かれて行われる、伝統ある大会です。決勝戦はNHKでテレビ放送されます。
持ち時間は一次リーグ：40分切れ負け。本戦は30分、使い切ると1手10秒秒読み。
全日本こども囲碁チャンピオン戦
小学生以下の部と中学生の部に分かれて行われる大会です。幼稚園児や保育園児も参加できます。
持ち時間は30分、一手30秒の秒読みとなります。
花まる学習会杯ジュニア本因坊戦
幼稚園児や保育園児も参加できる大会です。優勝者には全日本アマチュア本因坊戦への出場権が与えられます。
持ち時間は30分です。
くらしき吉備真備杯こども棋聖戦
小学生を対象とした大会です。高学年の部優勝者はプロ棋士と公開記念対局を行います。
持ち時間は予選：30分切れ負け／本戦：40分切れ負け／決勝：40分、使い切ると1手10秒秒読み。
文部科学大臣杯小・中学校囲碁団体戦
小学校の部と中学校の部に分かれて行われる団体戦です。
持ち時間は40分切れ負け。決勝戦のみ30分、使い切ると一手10秒の秒読み。

高校生棋戦

文部科学大臣杯大会全国高校囲碁選手権大会
団体戦と個人戦が行われる、高校囲碁界最大の大会です。団体戦では麻布高校、灘高校、藤村女子高が多くの優勝回数を誇ります。
全国高等学校囲碁選抜大会
各ブロックから推薦された高校生が参加する大会です。団体戦、個人戦、9路盤戦が行われます。
持ち時間は35分、使い切ると1手10秒の秒読み。（9路盤戦は5分、使い切ると1手10秒の秒読み。）
全国高等学校総合文化祭囲碁部門
「文化部のインターハイ」とも呼ばれる総合文化祭の一部門です。団体戦と個人戦が行われます。
持ち時間は35分、使い切ると1手10秒の秒読み。

学生棋戦（大学）

The World Students GO OZA Championship（世界学生囲碁王座戦）
世界各国の学生代表が参加する大会です。
持ち時間は予選トーナメント90分切れ負け。決勝は1時間、使い切ると1手30秒の秒読み。
全日本学生囲碁王座戦
全国8地区の予選を通過した選手と、学生本因坊などのタイトル保持者が参加する大会です。優勝者はプロの王座と記念対局を行います。
持ち時間は1時間、使い切ると1手30秒の秒読み。
全日本学生本因坊決定戦
最も古い歴史を持つ学生棋戦です。各地区の予選を勝ち抜いた代表が参加します。優勝者は全日本アマチュア本因坊戦に招待されます。
持ち時間は1時間、使い切ると1手30秒の秒読み。
全日本学生囲碁十傑戦
大学院生や高校生も参加できる学生棋戦です。
持ち時間は1時間、使い切ると1手30秒の秒読み。
全日本学生囲碁最強位戦
棋力別にクラス分けされた大会です。各クラスの優勝者はプロ棋士との記念対局権を得られます。
持ち時間は予選40分切れ負け、決勝40分、使い切ると1手30秒の秒読み。
全日本女子学生本因坊決定戦
地区予選を通過した選手が参加する大会です。優勝者は全日本アマチュア本因坊戦に招待されます。
持ち時間は1時間、使い切ると1手30秒の秒読み。
全日本大学囲碁選手権
各地区の大学リーグ戦を勝ち抜いた大学が参加する団体戦です。優勝チームはアジア大学囲碁選手権戦に出場します。
持ち時間は1時間、使い切ると1手30秒の秒読み。