図書館総合展

図書館総合展は、図書館をテーマとした国内最大の展示会であり、図書館運営者、関連業界、研究者、教育関係者が一堂に会する場です。1999年の初開催以来、図書館の発展とともに歩み、最新の技術や知識、情報交換の場として重要な役割を果たしてきました。

概要

図書館総合展は、毎年10月から11月頃にパシフィコ横浜で開催され、3日間にわたって行われます。図書館関係の様々な団体がフォーラムを開催し、企業や団体がブースを出展して情報発信を行います。主催者は、図書館運営者や関連業界にとって最大のコンタクト機会であると同時に、読書・学習・研究環境における最新の技術や知見が集まる場であると位置付けています。2006年からは、NPO法人知的資源イニシアティブによるLibrary of the Yearの最終選考会も開催されるようになり、2008年からは学術情報オープンサミットも併催され、大学図書館等の出展も促されました。また、ポスターセッションも開始され、多様な情報発信の場となっています。

2017年の第19回図書館総合展では、約500団体が出展し、延べ3万人が来場しました。141の企業や団体がブース出展を行い、約90の講演会やフォーラムが開催され、大学生や各種図書館、NPOによる約80のポスターが展示されました。メイン会場であるパシフィコ横浜での開催に加え、全国各地の図書館関係施設を用いた地域フォーラムも開催されており、2011年には京都市で初の地域フォーラムが開催されました。その後、2013年には熊本市と伊勢市、2014年には3地域、2015年から2017年には4地域、2018年には3地域で開催されています。

開催経緯

図書館総合展は、1999年10月13日から15日にかけて、株式会社カルチャー・ジャパンの企画・運営により、東京国際フォーラムで初めて開催されました。雄松堂書店（現・丸善雄松堂）の代表取締役であった新田満夫氏が、海外のブックフェアを視察した際、アメリカ[[図書館協会]]（ALA）や国際図書館連盟（IFLA）の年次大会で図書館関連の企業や団体が多数出展しているのを見て、日本でも同様のイベントを開催することを思い立ったのがきっかけです。

第1回大会のテーマは「21世紀の図書館：ネットワークと図書館」であり、62社が出展しました。会場は5つのテーマゾーンに分かれて展示が行われ、14講座のセミナーや講演会が開催され、3日間で延べ14,535人が来場しました。その後も来場者数は年々増加し、第5回大会では2万人を突破しています。

第10回以降は、図書館員のスキルアップの場としての側面を強化するため、学術研究機関や学会、大学研究室、専門分科会、文書館・美術館・博物館などの参加も必須であるという認識のもと、「学術情報オープンサミット」が併催されるようになりました。さらに、第17回以降は「教育・学術情報オープンサミット」と改称し、第20回大会では美術関係者のための総合展「Art Museum Annuale 2018」も併催されました。図書館周辺領域への拡張を図りつつ、海外機関との連携も進め、アメリカ図書館連盟（ALA）との広報・交流に関する連携文書を締結しました。また、ALAや中国国家図書館（NCL）、国立台湾大学などから講師を招聘し、図書館総合展運営委員会と丸善雄松堂の共催でALA年次大会の見学研修ツアーも開催しています。

運営体制

図書館総合展の運営事務局は、株式会社カルチャー・ジャパンが務めており、出版社、出展企業、出展団体、大学教員などが参加する運営委員会が主催者となっています。また、図書館職員を中心とする約50名の運営協力委員がおり、運営委員会の決定に基づいてイベントの実務に携わっています。運営委員会は月1回の定例会議で、企画の開催枠組みや主催企画の内容を合議制で決定し、その議事録は運営協力委員にも共有されます。

運営委員会が主催するフォーラムでは、出展企業フォーラムでは扱いにくい話題をカバーし、図書館総合展全体をバラエティに富んだものにしています。初期には、「図書館と図書館員のサバイバルプラン」と題した図書館関連の法律問題を扱うフォーラムや、顧客満足度を高めるためのPR方法に関するフォーラムが人気を博しました。運営委員会主催のフォーラムも年々数を増やし、第20回には17企画が運営委員会主催で開催されました。

記録

（来場者数第1回～第20回の出典はカレントアウェアネスNO.339 CA1944「図書館総合展の20年」今井福司、2ページより。）

参考文献

関乃里子 (2019-05). “座談会で振り返る図書館総合展の20年”. 専門図書館 (295): 24-30.
今井福司「図書館総合展の20年」カレントアウェアネス No.339 2019年3月20日 CA1944

脚注

外部リンク

* 公式サイト

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