固定資産税

固定資産税の概要

固定資産税は、土地や建物、有形償却資産などを所有する個人や法人に対して課せられる地方税です。日本の地方税法に基づき、各市町村が設置し、税金に関する様々な事項を定めています。

課税対象と課税方式

この税金の課税対象には主に土地、家屋、有形償却資産が含まれます。ただし、有形償却資産に対しては通常「償却資産税」という名称で呼ばれることが多いです。土地や家屋については、登記情報を基に課税団体が課税対象を把握できますが、償却資産は登記情報だけでは把握できません。そのため、所有者からの申告によってこれを確認し、課税が行なわれます。また、他人の建物内の特定の造作についても、条例で規定している団体に限り申告が必要となります。

建物が著しく損傷している場合、固定資産としてみなされず、非課税扱いになることもあります。一方、国や都道府県が所有する資産には固定資産税が課税されず、代わりに市町村には国有資産等所在市町村交付金が支払われます。

課税の基準

固定資産税の課税主体は、その資産が存在する市町村です。特に東京都の23区内では、都が課税主体となります。納税義務者は、賦課期日である1月1日に固定資産を所有している者であり、登記の有無は問われません。ただし、特定の権利関係にある場合、その者が納税義務者となることもあります。固定資産の所有者が不明な場合、使用者を所有者と見なして課税されることもあります。

納税通知書は市町村から送付され、原則として年四回に分けて納付が求められます。納税額は課税標準に法定税率を掛けて算出され、税率は各自治体が設定しますが、標準的な税率は1.4%です。特に、土地や家屋については免税点が設けられ、土地の場合は30万円、家屋の場合は20万円未満であれば非課税となります。

税額の算出と評価基準

固定資産税の税額は課税標準額に適用される税率によって決まります。この税率は市町村や都道府県ごとに異なるため、各自治体の条例により設定されます。また、評価基準は総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づき、評価額と課税標準額を求めます。この評価は通常、3年ごとに見直されます。

土地に関する固定資産税評価は「適正な時価」に基づいて行われ、特に路線価や地価公示価格を参考にして算出されます。家屋については、再建築すの価格を基準として、細かく評価されます。

特例と減免措置

住宅用地には特例が設けられており、小規模住宅用地の場合、課税標準は登録価格の6分の1とされます。また、新築住宅については一定条件を満たす場合、固定資産税が半減されます。

宗教法人や教育法人に対しては、その本来的な用途に供される資産について非課税の規定が設けられており、特定の条件に基づく免税措置が適用されます。さらには、損傷を受けた建物に関しても非課税措置が適用されることがあります。

固定資産税の問題点

最近では、固定資産税の過誤課税が大きな問題となっており、特に建物については多くの件数が発生しています。これは、複雑な制度が主な要因とされ、過剰徴収の還付請求が増加しています。総務省の調査によれば、多くの自治体において課税誤りが発生しており、特に東京や政令指定都市での実態は深刻です。企業や不動産に関わる団体が還付を求める動きが見られ、これが社会的な注目を集めています。

このように、固定資産税はその性質上様々な課題を抱えており、税制改革が必要とされています。

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