国会決議

国会決議とは

国会決議とは、国会（衆議院または参議院）が、国政において必要と判断した事柄について行う意思表示の総称です。法令に基づくものとそうでないものがあり、法的効果の有無が異なります。

概要

議事機関は、法令上の根拠の有無に関わらず、特定の問題に対する意思表示を行うことができます。その際、一般的に用いられる形式が「決議」です。日本においては、衆議院または参議院が国政上必要と判断した事柄に関して出す決議を指します。

決議には、法令上の根拠を持つものとそうでないものがあり、法的根拠を持つ決議には一定の法的効果が認められます。しかし、そうでない場合は、事実上の政治的効果にとどまります。日本の国会においては、日本国憲法第69条に基づく衆議院の内閣不信任決議を除き、法的効果は認められていません（解任決議は議院自律権に基づく内部組織に関するものであり、外部的な意思表示とは性質が異なります）。

決議の効果

法的拘束力のない国会決議であっても、憲法第66条により内閣は行政権の行使について国会に連帯して責任を負うため、各院の決議は内閣に対して政治的・道義的拘束力を持ちます。ただし、決議の内容通りに政府を拘束したい場合は、法律を制定するか、内閣に対する政治的不信任の理由とすることが可能です。

通常、決議は全会一致で議決されますが、不戦決議のように過半数の賛成で可決されることもあります。

手続き

国会決議の手続きは、衆議院と参議院の両院または一院が個別に議決を行う形式で行われます。法律案のように、先議院で議決した後、後議院で同一案を議決する形式ではありません。そのため、両院が一言一句同じ決議を可決したとしても、それは「両議院で一致した内容の議決が別々になされた」という事実に留まり、一体化した「国会の決議」として扱われる法的根拠はありません。

「国会決議」の解釈

立法関係の用語解釈では、「国会の議決（決議）」と「両議院一致の議決（決議）」は異なる概念とされており、厳密には「国会決議」というものは存在しません。首相指名や予算・条約の成立のように憲法に明記された議決については、「衆議院の議決を国会の議決とする」旨の規定があるため、「国会の議決」が存在します。しかし、両院または一院の任意の内容の決議を「国会（の）決議」とする規定はありません。

ただし、これらの決議（一院のみのものも含む）も国会という場で行われた決議であることに違いはありません。「一体化した国会の決議」という厳格な区別を必要としない場面においては、「国会の場で行われた決議」という意味で「国会（の）決議」と表現することは誤りではありません。政府による文書でも「国会（の）決議」という表現が使用される例があります。また、国会議員の発言やマスコミの報道などでも広く用いられています。

関連事項

議場内粛正に関する決議
教育勅語等排除に関する決議、教育勅語等の失効確認に関する決議
戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議
自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議
非核兵器ならびに沖縄米軍基地縮小に関する決議
武器輸出問題等に関する決議
歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議（不戦決議）
核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議
慰安婦に対する謝罪要求決議案
内閣不信任決議
問責決議
辞職勧告決議
不信任決議
解任決議
参議院審議権尊重決議
衆議院解散要求決議案
* 附帯決議

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