国会 (大韓民国)

大韓民国国会：韓国の立法府

大韓民国国会は、韓国の立法府であり、一院制議会です。1948年の建国以来、韓国の民主主義発展の中核を担ってきました。本稿では、国会の歴史、組織、制度、権限、そして運営について詳細に解説します。

歴史

1948年、国際連合朝鮮委員会の決定に基づき、南朝鮮において単独総選挙が行われ、制憲議会が設置されました。制憲議会は同年7月に大韓民国憲法を公布し、国会が正式に発足しました。朝鮮戦争（1950～1953年）中は、大邱、釜山へと一時移転しましたが、休戦協定後、ソウルに戻り、1975年には汝矣島の現議事堂に移転しました。当初は、漢字を用いた国会の徽章が使用されていましたが、2014年にハングル表記に変更されています。

制度・組織

国会は一院制で、解散制度はありません。ただし、議員数が200人を下回った場合、解散して総選挙を行う規定があります。過去には二院制（民議院と参議院）が採用されていた時期もありましたが、現在は一院制です。

国会の組織には、立法支援組織として国会事務処、国会図書館、国会予算政策処、国会立法調査処などがあります。また、様々な政策分野を扱う常任委員会が設置されており、重要な政策決定プロセスを担っています。例として、国会運営委員会、法制司法委員会、企画財政委員会、外交統一委員会などがあります。

議員

国会議員の選挙権と被選挙権は満18歳以上の韓国国民に与えられています。任期は4年で、定数は300議席です。選挙制度は小選挙区比例代表並立制を採用しており、254議席が小選挙区制、46議席が比例代表制で選出されます。比例代表制では、阻止条項が設けられています。

院内交渉団体

院内交渉団体は、日本の国会における院内会派に相当します。20名以上の国会議員で構成され、国会の運営において重要な役割を果たします。交渉団体間の協議を通じて、国会議長団や各委員会委員長の選出、本会議での発言時間配分、立法日程などが決定されます。保守系とリベラル系の政党が複数存在し、それぞれの勢力によって国会の運営状況が大きく影響されます。政界再編や政党分裂・統合などにより、交渉団体の数や構成は常に変動しています。

議員の兼職

国会議員は、国務総理や国務委員を除く公職の兼任を原則として禁止されています。ただし、公益目的の名誉職や、法律で議員の任命・委嘱が認められた職務などは兼任可能です。また、営利を目的とする業務の従事も原則禁止されていますが、議員本人が所有する不動産の賃貸などは例外として認められています。

各種記録

国会には、最多当選回数議員、最短任期議員、最年長・最年少当選議員、最多・最少得票数議員、最小票差当選議員、最長・最短任期国会議長など、様々な記録が残されています。これらは、韓国政治史を理解する上で貴重な資料となっています。

運営

国会議長は、国会議員による無記名投票で選出されます。任期は2年で、再任の制限はありませんが、慣例として1期限りとなっています。副議長は2名おり、交渉団体間の合意に基づいて選出されます。

定期会・臨時会

国会は、毎年9月1日に開会する定期会と、大統領または国会議員の要求によって開催される臨時会があります。定期会の会期は100日以内、臨時会は30日以内と定められています。

国会の権限

国会は、立法、予算、そして国政監査など、幅広い権限を有しています。憲法改正、法律制定、予算審議、国政調査、大統領弾劾など、国家運営に関わる重要な役割を担っています。

結論

大韓民国国会は、韓国の民主主義を支える重要な機関であり、その歴史と役割は韓国政治の理解に不可欠です。今後も、複雑化する国際情勢の中で、韓国の政治発展に大きな影響を与え続けるでしょう。

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