被選挙権

被選挙権について

被選挙権とは、政治における参政権の一種であり、候補者が選挙を通じて公職に就くための資格や地位を指します。この権利は、一般には「立候補の自由」と関連付けて考えられており、選挙権が与えられた者が立候補する権利として重要な役割を果たします。とはいえ、選挙権とは異なる条件が設けられている場合もあり、必然的に被選挙権は選挙権より狭い範囲で認められることもあります。

被選挙権と年齢

被選挙権は国や地域ごとに異なる年齢制限が存在します。例えば、北朝鮮や東ティモールでは17歳から被選挙権を得られる一方、アイスランドやイギリスの下院、オーストラリアなど多くの国では18歳がその基準年齢です。また、アイルランドやイスラエルなどでは21歳以上が必要です。

それに対し、参議院や上院の場合、さらに高い年齢が必要とされることも多く、日本の場合は衆議院が25歳、参議院が30歳とされています。このように、被選挙権を得るための年齢は国によって大きく異なり、政治のシステムや社会的な要因が強く影響していることが伺えます。

被選挙権の取得条件

日本における被選挙権の条件については、全ての候補者に共通した基本的な要件があります。まず、立候補者は日本国民であることが要求され、さらに衆議院議員や市区町村長の場合は25歳以上、参議院議員や都道府県知事は30歳以上であることが求められます。また、地方議会の候補者は、選挙権を持っていることに加え、選挙が行われる地域に3か月以上居住している実態が必要です。

この居住実態については、2019年の統一地方選挙で不正が多発したことを受け、2020年には法が改正され、立候補者は居住実態を証明する宣誓書を提出しなければならなくなりました。虚偽の宣言があった場合、罰金が科されることとなり、より厳格な監視が行われるようになりました。

被選挙権の欠格事由

日本では、被選挙権を有しない者が存在します。これは公職選挙法や政治資金規正法に基づいており、具体的には禁錮以上の刑に処された者がその執行を終えるまで被選挙権を失うというものです。さらに、選挙に関連する犯罪により禁錮以上の刑に処され、執行猶予中の者や、収賄などの犯罪で刑期を満了していない者も同様です。

このように、被選挙権には多くの条件や制限が設けられており、選挙権との違いや法的要件が居民の権利と自由を保障する一方で、政治的な適格性を求める側面も持っています。これらを理解することで、選挙や政治参加についての知識が深まり、より健全な民主主義の実現に寄与することが期待されます。

関連項目

• - 参政権
• - 選挙権
• - 公民権
• - 有権者
• - 外国人参政権

もう一度検索