国分 (海老名市)

大字国分：海老名市の中心地とその歴史

神奈川県海老名市に存在した大字『国分』は、1991年の住居表示実施により、中央、国分南、国分北の各町へと再編されました。翌1992年には、わずかに残っていた区域が国分寺台に編入され、行政上の大字としては消滅しました。本稿では、国分の地理、歴史、そして消滅までの経緯を詳細に解説します。

国分の地理

国分は海老名市の中央やや北寄りに位置し、高座郡海老名村時代から1989年の市役所移転まで、海老名の中心市街地として、役場や役所が置かれていました。地理的には座間丘陵の南部に位置し、現在の国分北・国分南にあたる東部は高台となっています。

国分の歴史

国分という地名は、この地に相模国分寺が建立されたことに由来します。室町時代には既に「国分」という地名が見られ、古くからこの地域の中核をなす存在であったことが窺えます。

国分の沿革

国分の歴史を年代を追って見ていきましょう。

江戸時代: 高座郡国分村が成立します。
1697年（元禄10年）: 小田原藩領となります。
幕末: 下総国佐倉藩領となります。
1871年（明治4年）: 佐倉県を経て神奈川県に所属します。
1889年（明治22年）4月1日: 町村制施行により、高座郡海老名村大字国分となります。
1940年（昭和15年）12月20日: 海老名村が町制施行し、海老名町となります。
1971年（昭和46年）11月1日: 海老名町が市制施行し、海老名市となります。
1980年（昭和55年）: 世帯数3027世帯、人口10079人でした。
1989年（平成元年）: 海老名市役所と海老名市消防本部が移転します。
1991年（平成3年）: 2月25日には中心部で、11月11日には周辺部で住居表示が実施され、中央、国分南、国分北の各町が成立します。この時点で、大字国分は1043番地のみとなりました。
1992年（平成4年）2月24日: 最後の1043番地も住居表示が実施され、国分寺台一丁目に編入されたことにより、大字国分は消滅しました。

国分の小字

国分には、尼寺、伊勢山、大松原、押堀、北原、宿、杉本、関免、南原、宮台といった小字が存在していました。これらの小字は、それぞれの地域の特徴を表す名称であったと考えられます。

国分の主な施設

国分には、以下の様な重要な施設がありました。

相模国分寺
相模国分寺跡
相模国分尼寺跡
相模鉄道本線・厚木線 相模国分信号所
龍峰寺
弥生神社
清水寺公園
伊勢山自然公園
ひさご塚公園
海老名市温故館（旧海老名村役場）：後に移設
海老名市役所（1989年に移転）：跡地には海老名プライムタワー等が建設されました。
海老名市消防本部（1989年に移転）
海老名市立海老名小学校
海老名市立海老名中学校
海老名中央公園
ビナ2番館A・B（現：ビナウォーク2番館A・B）
小田急電鉄海老名検車区（一部）

まとめ

大字国分は、相模国分寺に由来する歴史深い地名であり、海老名市の中心市街地として発展してきました。1990年代初頭の住居表示実施により、行政上の大字としては消滅しましたが、その歴史と文化は、現在の海老名市の礎となっています。

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