国別インターネットレジストリ

国別インターネットレジストリ（National Internet Registry、以下NIR）は、特定の国や地域におけるインターネット資源、具体的にはIPアドレスやAS（Autonomous System）番号の配分と管理を担う組織です。

NIRは、世界的なインターネット資源管理体制の中で、地域インターネットレジストリ（Regional Internet Registry、以下RIR）の下位組織として機能しています。RIRは、IPアドレスやAS番号などのインターネット資源を地域ごとに管理・配分する役割を担っており、NIRは、さらにその地域内において、各国や地域レベルでの資源配分を専門としています。

NIRの活動は、特にアジア地域で活発に見られます。これは、アジア地域におけるインターネットの急速な発展と、それに伴うIPアドレス等の資源需要の高まりが背景にあります。しかし、NIRはアジア地域に限定されたものではなく、メキシコやブラジルといった、他の地域にも存在しています。NIRは、RIRの方針に沿って、各国のインターネット事情や需要に合わせたきめ細かい資源管理を行っています。

各RIR傘下のNIRの例

以下に、各RIR傘下にあるNIRの具体例を示します。

APNIC（Asia-Pacific Network Information Centre）傘下のNIR

APJII：インドネシアインターネットサービスプロバイダー協会（インドネシア）
CNNIC：中国インターネット情報センター（中華人民共和国）
IRINN：インドインターネットネーム＆ナンバーレジストリ（インド）
JPNIC：日本ネットワークインフォメーションセンター（日本）
KISA：韓国インターネット振興院（大韓民国）
TWNIC：台湾ネットワークインフォメーションセンター（台湾）
VNNIC：ベトナムインターネットネットワークインフォメーションセンター（ベトナム）

かつては、オーストラリアのAUNIC（Australian Network Information Centre）もNIRとして活動していましたが、2001年にAPNICへ資源を移管し、解散しました。

LACNIC（Latin American and Caribbean Internet Address Registry）傘下のNIR

NIC Brazil：ブラジルネットワークインフォメーションセンター（ブラジル）
NIC Mexico：メキシコネットワークインフォメーションセンター（メキシコ）

NIRの重要性

NIRは、各国のインターネットインフラを支える上で非常に重要な役割を担っています。IPアドレスやAS番号は、インターネットの根幹をなす資源であり、これらを適切に管理・配分することで、インターネットの円滑な運用を可能にしています。また、各国のインターネット事情を把握し、適切な資源配分を行うことは、インターネットの発展と公平性を確保する上で不可欠です。

NIRの活動は、一般的にはあまり知られていませんが、インターネットを支える重要なインフラの一部として、その役割はますます重要になっています。

関連事項

ICANN：インターネットの資源管理全体を統括する国際組織
Asia-Pacific Network Information Centre (APNIC)：アジア太平洋地域を管轄するRIR
Latin American and Caribbean Internet Address Registry (LACNIC)：ラテンアメリカ・カリブ海地域を管轄するRIR
地域インターネットレジストリ（RIR)：各地域におけるIPアドレス等の資源を管理する組織
日本ネットワークインフォメーションセンター（JPNIC)：日本のNIR

参考情報

APNIC公式サイト（英語）
APNICのNIRに対する運用ポリシー（英語）
AUNIC保有リソースのAPNICへの移管のお知らせ（英語）
APNIC内のNIRs（英語）
LACNIC公式サイト（英語）
LACNIC内のIP・ASN分配についての説明ページ（英語） メキシコとブラジルのIP・ASN配分についての記述あり

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