国友重章

国友重章について

国友重章（くにとも しげあき、文久元年（1861年12月） - 明治42年（1909年7月16日））は、熊本出身の明治時代のジャーナリストで、国家権論者として知られています。彼は内閣法制局で働いた後、新聞『日本』の記者として活躍し、その活動を通じて条約改正問題に強く反対しました。また、閔妃殺害事件にも関与しており、その人生は波乱に満ちたものでした。

生い立ちと早年

国友重章は熊本藩士の家庭に生まれました。幼少期からの神童として有名で、早くから詩文に秀でていました。彼は国事を議論することを好み、特に1877年の西南戦争では西郷軍に参加。戦後、父が設立した私塾で教育に従事し、その思想は後の済々黌に大きく影響を与えました。

上京と官界での活動

1883年、国友は上京し、宮内省に出仕。その後、内閣法制局に転職し、井上毅の秘書として多くの重要書類に関与しました。1887年、条約改正交渉に対する憤りから、反対意見書を漏洩し、世論を喚起させて改正を中止に追い込みました。この事件は、彼の政治家及びジャーナリストとしての活動の重要な転機となりました。

ジャーナリストとしての活動

その後、国友は『東京電報』紙に記者として勤めるようになり、1889年に『日本』という新聞を発展させる役割を担います。この新聞では、条約改正問題に対して強硬な立場を貫き、様々な論説を執筆し、積極的に講演を行い、国民の関心を引きました。特に1892年には『条約改正及内地雑居 一名内地雑居尚早論』を出版し、その内容は当時の話題の中心となりました。

閔妃殺害事件への関与

国友はまた、朝鮮での閔妃殺害事件に関与したことでも知られています。1895年、日清戦争の最中に彼は朝鮮の新聞『漢城新報』の主筆となりますが、閔妃の権勢を受けて日本との対立が深まる中、三浦梧楼公使の教唆によって閔妃を殺害する決意をすることとなります。事件の結果、国友は日本で拘引され、裁判所で十分な証拠がないとして免訴となりました。

政治活動と晩年

国友はその後も様々な政界活動を続け、1907年には東亜同文会を設立し、アジア主義を提唱しました。また、1905年の日比谷焼打事件にも参加し、彼の名は当時の政治運動の中で広く知られるようになりました。1909年、彼は病に倒れ急性肺炎にかかり、49歳でその生涯を終えました。

最後に

国友重章の人生は、明治期の日本が直面していた政治的動乱や国際問題の影響を強く受けたものであり、彼の活動はその後の日本においても大きな意義を持つものでした。

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