国土建設学院

国土建設学院

国土建設学院（こくどけんせつがくいん）は、かつて東京都小平市に校舎を構えていた私立の専修学校です。この学校は、学校法人明倫館が設置・運営を担っており、国土交通省からもその専門性が認められていました。しかしながら、時代の流れの中でその役割を終え、平成23年（2011年）9月28日付けで、所轄する小平市および東京都から学校の廃止と設置者である学校法人明倫館の解散が正式に認可され、長い歴史に幕を下ろしました。

沿革

国土建設学院の歴史は、その前身である「日本測量専門学校」の設立に遡ります。これは、昭和37年（1962年）12月、財団法人全国建設研修センターによって山梨県上野原町に創設されました。

翌昭和38年（1963年）4月には、建設大臣から私立学校としては国内で初めて測量専門の人材を育成する施設として指定を受け、教育活動を開始しました。

昭和40年（1965年）11月には、山梨県上野原町から、後に校地となる東京都小平市への移転が実施されました。

昭和45年（1970年）4月には、学校名が現在の「国土建設学院」へと改められ、これまでの測量に加え、土木や造園といった建設関連分野の学科が新たに開設され、教育範囲が拡充されました。

昭和51年（1976年）9月には、学校教育法の改正に伴い、工業に関する専門課程を置く専修学校として、法的な位置づけを得ました。

昭和52年（1977年）4月には、設立母体である全国建設研修センターから分離し、独立した学校法人である「学校法人明倫館」へと移行し、運営体制を強化しました。

平成7年（1995年）1月には、2年制の学科が、卒業者に「専門士」の称号が付与される課程として、文部科学大臣から正式な認定を受けました。

さらに、平成12年（2000年）1月には、教育機関として初めて品質管理の国際規格であるISO9002の認証を取得するという画期的な成果を上げました。これは、世界の教育界全体でも2番目の事例という、極めて先進的な取り組みでした。

逸話

俳優の井川比佐志氏の父親は、戦後の一時期、本校で写真測量の技術指導を行い、将来を担う若者たちの育成に力を注いだ経験があります。
作家・脚本家として知られる種田守倖氏（別名：榎田信衛門）の父親である種田守氏は、本校の設立当初から昭和44年（1969年）に校舎が火災で全焼するまで教官を務めていました。当時、種田氏一家は学校敷地内の社宅に住み込み、父親は庶務も兼任していました。種田守倖氏は、父親が撮影した上野原校舎時代から1969年頃までの学校の記録写真を多数保管しているとのことです。

これらの逸話からも、国土建設学院が多くの人々の人生や日本の建設技術の発展に関わってきた一端がうかがえます。

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