国定公園

国定公園の概要

国定公園とは、日本の自然を保護しつつ、観光地としても利用される公園の一種です。自然公園法に基づいて、環境大臣により指定されるこの公園は、都道府県が管理します。国立公園に比べて、地域密着型の管理体制が特徴です。英語では「Quasi-National Park」と表現されることがあります。

国定公園の指定の歴史

日本における国定公園の指定は1950年7月に始まりました。当初は琵琶湖国定公園、佐渡弥彦国定公園、そして耶馬日田英彦山国定公園の3カ所が指定され、その後も指定地は増えていきました。しかし、国立公園へ昇格した例も多く、現在は58カ所の国定公園が存在します。最新の指定は2021年に行われた厚岸霧多布昆布森国定公園で、自然環境の保護と観光の両立を目指しています。

管理体制と特色

国定公園の管理は各都道府県に委ねられているため、地域ごとに特色があります。たとえば、愛知高原国定公園や揖斐関ヶ原養老国定公園は、自然と人々との関係を重視する観点から指定されています。また、大都市近郊に位置する公園もあり、都市の緑地を保全する目的で選ばれた例も見られます。

しかし、住民や自治体の意識の違いから、指定範囲にはばらつきがあります。たとえば、日本アルプスの中央アルプスは、長い間国立公園にも国定公園にも指定されていませんでしたが、2020年にようやく国定公園に昇格しました。

指定面積とその内訳

2023年3月末の時点で、指定された国定公園の合計面積はおよそ1,494,468ヘクタールに達し、これは日本の国土面積の約4%を占めています。面積の内訳は、特別保護地区が4.4%、第一種特別地域が12.0%、第二種特別地域が26.1%、第三種特別地域が48.5%、普通地域が9.0%となっており、特別地域の割合は比較的高めですが、国立公園の特別保護地区には及びません。

国立公園との関係

指定された国定公園の中には、その後国立公園に昇格したものもいくつか存在します。具体的には、白山国定公園や山陰海岸国定公園などがあり、それぞれ時期をカスタマイズしながら昇格が行われました。また、既存の国立公園に編入された国定公園もあり、沖縄海岸国定公園などはその良い例です。

まとめ

国定公園は、日本の自然環境の保護や地域の観光振興に寄与する重要な存在です。これからも、地域の特色を生かしながら、持続可能な形で自然と人間の共生を目指す取り組みが希望されます。歴史的、文化的な視点を持ちながら、新たな国定公園の指定や管理方法の確立が求められています。

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