国家テロ対策センター

国家テロ対策センター（NCTC）

国家テロ対策センター、通称NCTCは、2004年に当時のジョージ・ブッシュ大統領の指示により設立されたアメリカの主なテロ対策機関です。このセンターは、9/11委員会の勧告を受けて創設され、以前のテロリスト脅威情報センター（TTIC）を引き継いでいます。

機関の使命と機能

NCTCは、合衆国の対テロ活動の中心的な役割を担っており、テロ情報の分析、対テロ作戦の計画、及び実行支援を行っています。センターの運営は、国家情報長官の指揮下に置かれ、その指導のもとで各種テロ情報が集約・分析されています。センターの本部はバージニア州タイソンズ・コーナーに位置し、ここにはCIA対テロセンターや国防総省の統合情報タスクフォースも併設されています。

当初は約60名の職員で設立されましたが、現在は300名にまで増加しており、国土安全保障省、FBI対テロ局、CIA対テロセンター、国防総省および司法省などからの職員が勤務しています。

国際的な協力関係

2004年6月には、自国のテロ対策機関の連携を強化するため、アメリカ、イギリス、オーストラリアの三カ国が共同で対テロ・ネットワークを発表しました。このネットワークの目的は、「アル・カイダ」をはじめとしたテロ組織の活動を未然に防ぐことにあります。最初に参加したのは、アメリカのTTIC（現在のNCTC）、イギリスの統合テロリズム分析センター（JTAC）、オーストラリアの国家脅威評価センター（NTAC）です。

その後、ニュージーランドとカナダもこのネットワークに加わり、2004年内にカナダにおいて統合脅威評価センター（ITAC）、12月にはニュージーランドで統合脅威評価グループ（CTAG）が設立されるなど、国際的な協力体制が強化されました。これにより、5カ国はエシュロンのUKUSA同盟と同調して、より効果的にテロ対策を進めています。

歴代センター長

NCTCの運営を担った歴代のセンター長は以下の通りです。

• - ジョン・オーウェン・ブレナン（2004年12月 - 2005年6月）：前TTIC長。
• - ジョン・レッド（2005年6月 - 2007年11月）：中将。
• - マイケル・ライター（2007年11月 - 2011年7月）。
• - マシュー・オルセン（2011年8月 - 2014年7月）。
• - ニコラス・ラスムッセン（2014年12月 - 2017年12月）。
• - ジョセフ・マグワイア（2018年12月 - 2019年8月）：中将。
• - クリストファー・C・ミラー（2020年8月 - 2020年11月）。
• - クリスティン・アビゼイド（2021年6月 - 2024年7月）。

まとめ

国家テロ対策センターは、テロリズムに対するアメリカの防衛の最前線として重要な役割を果たしており、その活動は国内外の安全保障に大きく寄与しています。テロリズムの脅威が進化する中、NCTCは情報収集と分析を通じて、迅速かつ効果的な対策を講じることが求められています。

もう一度検索