国家ブランド委員会

国家ブランド委員会：韓国の国際的地位向上を目指した取り組み

国家ブランド委員会は、大韓民国大統領直属の機関として、2009年1月22日に設立され、2013年3月23日に廃止されました。この委員会は、国際社会における韓国の「地位」、「イメージ」、「国格」を向上させるため、体系的かつ総合的な活動を展開しました。

設立の背景

韓国は、経済規模で世界有数の地位を占める一方で、国際的な認知度や評価において、その実力に見合わない「コリアディスカウント」現象が指摘されていました。例えば、海外でのアンケート調査で「韓国の有名人」として北朝鮮の指導者名が挙げられるなど、北朝鮮と混同されるケースや、韓国製品が「Made in Korea」の表記によって評価が下がる事例がありました。このような状況を改善するため、国家ブランド委員会が設立されました。

活動内容

国家ブランド委員会は、韓国文化を海外に広めるために様々なプロジェクトを実施しました。具体的には、以下の様な活動があげられます。

文化交流イベント: 韓国文化院を中心に、食文化を紹介する展覧会、ラブコメディ映画の上映会、韓国料理教室、韓日親善文化交流展、テコンドー体験教室など、様々な文化交流イベントを開催。
韓流エンターテイメントの紹介: 韓国コンテンツ振興院との共同制作により、YouTubeで韓国ドラマ、映画、K-POPなどの韓流エンターテイメントを紹介し、そのトレンドや魅力を発信。

これらの活動を通じて、韓国の認知度向上と好意的イメージの確立を目指しました。

韓国コンテンツ振興院（KOCCA）との連携

韓国コンテンツ振興院（KOCCA）は、韓国コンテンツ産業の振興を目的とする政府系機関であり、国家ブランド委員会と密接に連携しました。KOCCAは、コンテンツの企画から制作、流通、人材育成、メンタルヘルスケアまで、多岐にわたる支援を行い、韓国コンテンツの国際競争力強化に貢献しました。

委員会の機能

国家ブランド委員会は、以下の事項を審議し、韓国の国家ブランド向上に向けた政策を推進しました。

国家ブランド基本計画及び年次別実行計画の樹立・調整
主要国家ブランド政策及び事業の調整
中央行政機関別履行計画の点検及び推進実績の評価
国家ブランド関連予算の効率的使用及び調整
国家ブランド価値向上のための制度改善及び法令整備
国家ブランド関連国民の意見収集及び参加
国家ブランド関連官民協力
国家ブランド関連海外広報、国際協力及び国際交流
国家ブランド関連基礎研究及び政策開発
その他、委員長が付議した事項

会議は、在職委員の過半数の出席により成立し、出席委員の過半数の賛成により議決されました。

組織体制

委員会は、大統領によって委嘱された委員に加え、企画財政部長官、教育科学技術部長官、外交通商部長官、法務部長官、行政安全部長官、文化体育観光部長官、知識経済部長官、国土海洋部長官、国務総理室長、放送通信委員会委員長、ソウル特別市長、大統領室国家ブランド担当企画官（委員会幹事）など、合計50名以内の委員で構成されました。委員長は、委嘱委員の中から大統領が指名し、委嘱委員の任期は2年でした。

分科委員会

委員会業務を効率的に遂行するため、以下の分科委員会が設置されました。各分科委員会は、委員長が指名した10名以内の委嘱委員で構成され、任期は2年でした。

企画分科委員会
企業・IT分科委員会
文化観光分科委員会
国際協力分科委員会
グローバル市民分科委員会

事業支援団

委員会所管の事務処理を担当する事業支援団も組織されました。事業支援団は、以下の組織で構成されていました。

団長
企画総括局
企業IT局
文化・市民局
対外協力局

まとめ

国家ブランド委員会は、韓国の国際的な地位とイメージを向上させるため、文化交流、コンテンツ振興、政策調整など、多岐にわたる活動を展開しました。短い活動期間ではありましたが、韓国のブランド価値向上に貢献したと言えるでしょう。

関連情報

韓国コンテンツ振興院
駐日韓国大使館 韓国文化院
韓食の世界化
クール・ブリタニア

外部リンク

国家ブランド委員会公式サイト（朝鮮語）（英語）（中国語）（日本語）
Nation Branding 世界の国家ブランディングに関するサイト（英語）
* ハンスタイル

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