国家公務員共済組合法

国家公務員共済組合法とは

国家公務員共済組合法（昭和33年法律第128号）は、国家公務員とその被扶養者の生活を支えるための相互救済制度を定めた法律です。この法律は、国家公務員が病気、負傷、出産、休業、災害、退職、障害、または死亡といった事態に直面した際に、適切な給付を行うことを目的としています。また、被扶養者が同様の状況になった場合も給付の対象となります。

この制度は、単に経済的な支援を提供するだけでなく、福祉事業を通じて国家公務員とその家族の生活の安定と福祉の向上を図り、ひいては公務の能率的な運営にも貢献することを目的としています。

沿革

国家公務員共済組合法の歴史は以下の通りです。

1948年（昭和23年）6月30日: 初代の「国家公務員共済組合法」（昭和23年法律第69号）が公布・施行されました。
1958年（昭和33年）5月1日: 初代の法律を全面改正し、現在の「国家公務員共済組合法」（昭和33年法律第128号）が公布されました。同年7月1日に一部を除き施行されています。
1984年（昭和59年）4月1日: 「国家公務員等共済組合法」へと名称が変更されました。これは、公共企業体職員等共済組合法が廃止され、制度が統合されたことに伴うものです。
1997年（平成9年）4月1日: 現在の「国家公務員共済組合法」に名称が再変更されました。これは、旧3公社が民営化された後も残っていた共済組合制度が廃止されたことによります。

構成

国家公務員共済組合法は、以下のような構成となっています。

第1章 総則: 法律の目的や基本原則を定めています。
第2章 組合及び連合会: 共済組合と連合会の組織、運営について規定しています。
第1節 組合: 各組合の設立、運営に関する事項
第2節 連合会: 組合を統括する連合会の組織、業務に関する事項
第3章 組合員: 共済組合の加入資格や義務について定めています。
第4章 給付: 病気やけが、出産、休業、災害、退職、障害、死亡などに対する給付について定めています。
第1節 通則: 給付に関する基本的な事項
第2節 短期給付: 病気やけが、出産、休業など短期的な事由に対する給付
第1款 通則: 短期給付に関する総則
第2款 保健給付: 病気やけがに対する医療費などの給付
第3款 休業給付: 休業中の生活保障に関する給付
第4款 災害給付: 災害による負傷などに対する給付
第3節 長期給付: 退職、障害、死亡など長期的な事由に対する給付
第1款 通則: 長期給付に関する総則
第2款 厚生年金保険給付: 厚生年金保険に関する給付
第3款 退職等年金給付: 退職、障害、死亡に対する年金給付
第1目 通則: 退職等年金給付に関する総則
第2目 退職年金: 退職時の年金給付
第3目 公務障害年金: 公務による障害に対する年金給付
第4目 公務遺族年金: 公務による死亡に対する遺族年金給付
第4節 給付の制限: 給付が制限される場合について規定
第5章 福祉事業: 組合員やその家族に対する福祉事業について規定
第6章 費用の負担: 給付や事業に必要な費用の負担について規定
第6章の2 地方公務員共済組合連合会に対する財政調整拠出金: 地方公務員共済組合連合会への拠出金について規定
第7章 審査請求: 給付に関する不服申し立ての手続きについて規定
第8章 雑則: その他の規定
第9章 罰則: 法律違反に対する罰則を規定
附則: 法律の施行期日や経過措置など

関連項目

* 国家公務員共済組合連合会：国家公務員共済組合を統括する組織です。

この法律は、国家公務員とその家族の生活を支える重要な柱であり、その内容を理解することは、公務員制度を理解する上で不可欠です。

もう一度検索