国府町佐野塚

徳島市国府町佐野塚：豊かな自然と伝統が息づく場所

徳島市国府町佐野塚（こくふちょうさのづか）は、徳島市の北西部に位置し、吉野川の恵みを受けた肥沃な土地が広がる地域です。北井上地区に属し、のどかな田園風景が特徴です。

地理的特徴

佐野塚は、吉野川の下流、右岸に位置しています。吉野川を挟んで板野郡藍住町と向き合い、東と南は国府町西黒田、西は名西郡石井町と隣接しています。標高は5.0〜8.0mと平坦で、吉野川の氾濫によって形成された肥沃な砂壌土が農業を支えています。特に、宝暦3年に築かれた第十堰のすぐ下流にあたるため、水資源にも恵まれています。

歴史

江戸時代から大正初期にかけて、佐野塚は藍作の先進地帯として栄えました。その後、大正時代には養蚕、昭和初期には酪農が盛んになるなど、時代に合わせて産業構造を変化させてきました。1967年（昭和42年）に名東郡国府町が徳島市に編入されたことで、現在の町名となりました。

文化：佐野塚獅子舞

佐野塚には、宝暦年間から伝わるとされる伝統芸能「佐野塚獅子舞」があります。戦後一時途絶えましたが、昭和40年代末に保存会が結成され、復活しました。毎年10月第4日曜日に天満神社の例祭で奉納されるほか、国府町芝原の八幡神社例祭でも奉納されることがあります。

獅子舞は、2頭の獅子（1頭2人使いで計4名）、大太鼓2名、かん鼓2名、拍子木2〜4名、蝶子釣り4名で構成されます。奉納時には、「呼び太鼓」から始まり、「傘の舞」、そして獅子舞へと続きます。獅子舞は、「初舞」「歓呼の舞」「竜虎の舞」「中乱の舞」「飛込の舞」「仕舞乱の舞」の順に演じられ、特に最後の「仕舞乱の舞」は、雌雄の獅子が激しいリズムで絡み合うダイナミックな舞いです。この獅子舞は、2010年4月に徳島市の無形民俗文化財に指定されました。

現在の佐野塚

佐野塚は市街化調整区域に指定されているため、大規模な都市開発は行われていません。そのため、豊かな自然と昔ながらの農村風景が今も残っています。吉野川の堤防沿いには天満神社が、地域には千蔵寺があり、地域住民の心のよりどころとなっています。

佐野塚は、肥沃な大地と吉野川の恵みを受け、歴史と文化を大切にしながら、静かに時を刻む地域です。

交通

徳島県道15号徳島吉野線が主要道路です。

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