国歌大観

『国歌大観』は、日本の和歌を集大成し、その検索を容易にするために編纂された索引です。初版は、松下大三郎と渡辺文雄によって1901年から1903年にかけて2冊構成で刊行されました。この『国歌大観』の登場により、国文学者をはじめとする研究者は、『万葉集』や二十一代集、物語などに収録されている和歌が、どの古典籍に掲載されているかを即座に特定することが可能となりました。各和歌には、掲載されている国書ごとに番号（国歌大観番号）が付与されているのが特徴です。

初版刊行後、1925年から1926年にかけて『続国歌大観』が刊行され、さらに1983年から1992年にかけては、角川書店から『新編国歌大観』が刊行されました。この『新編国歌大観』にはCD-ROM版も存在します。ただし、『新編国歌大観』に付与された番号は、旧版とは異なっているため、旧版の番号を「国歌大観番号」、新編の番号を「新編国歌大観番号」と区別して呼ぶことがあります。

例えば、『万葉集』における和歌の番号は、巻3-236以降で旧版と新編版で差異が生じています。一般的に、『万葉集』には4536首の歌が収められているとされていますが、『新編国歌大観』では最終番号が4540となっています。これは、『万葉集』に収録された4首の漢詩にも通し番号を付与したためです。『万葉集』の新番号は、版元の書籍内でのみ旧番号と併記される形式で用いられており、その他の場面では旧番号が広く用いられています。

『国歌大観』は、和歌研究における重要な資料であり、和歌の典拠を調べる上で欠かせない存在です。その索引機能は、和歌の歴史や文学的研究を大きく進展させました。

関連情報として、以下に国立国会図書館の関連リンクを記載します。

国歌大観. 歌集部)
国歌大観. 索引部)
國歌大觀. 續 歌集部)
国歌大観. 續 索引)

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