国民公会

国民公会の概要

国民公会（Convention nationale）は、1792年9月21日から1795年10月26日までの期間に存在したフランスの一院制の立法機関であり、同時に執行権も行使していました。これは、革命政権の中心的な機関として、フランス革命の激動の中で重要な役割を果たしました。

設立の背景

1792年の8月10日、王政が打倒されると、立法議会はルイ16世の王権を停止する法令を発令しました。こうした動きの中、ロベスピエールの提案に基づいて、新たな議会「国民公会」が設立され、男子普通選挙が実施されました。国民公会は、初会期の2日目には共和国の宣言を行い、旧体制を否定しました。

役割と機能

国民公会はもともと立法府として設置されましたが、内戦や外敵の脅威に直面する中で、実質的な行政府の職務も担うことになりました。また、革命独裁として人民主権を具現する役割を強化しました。こうして、国民公会は超法規的な権力を維持し、非常事態に対応する必要性からその権限を増幅させていきました。

政治的対立

1793年には、国民公会内での派閥争いが激化しました。特にジロンド派と山岳派（ジャコバン派）間の抗争が続き、最終的に1793年6月にジロンド派が追放され、以降は山岳派による独裁体制が確立しました。この内部抗争の結果、国民公会は権力の集中を進め、恐怖政治を推進しました。

選挙制度

国民公会の選挙は1792年8月に行われ、従来の選挙制限が撤廃され、特に無産市民も投票権を持つことが認められましたが、依然として男性のみが対象でした。選挙方法は依然として間接選挙の形態を取っており、その結果、山岳派が議会での主導権を握ることとなりました。

司法制度と権力の移行

国民公会は司法機関を整備し、軍事裁判所や革命裁判所といった新たな制度を設けました。また、派遣議員制度の導入により、地方や軍に対する国民公会の影響力が強まりました。一方で、国民公会の権限が強化される中で、立法と行政の混同も進行しました。

終焉とその後

1794年にはテルミドールのクーデターが発生し、国民公会は事実上崩壊しましたが、形式的にはその後も存続し続けました。しかし、王政復古に伴い、国民公会の元議員たちは国王の廃逆者とされ、多くが追放されることとなりました。

結論

国民公会はフランス革命の重要な局面で、政治的激動の中で立法権と行政権を併せ持ち、結果として歴史に大きな影響を及ぼしました。その設立から解散までの過程は、民主主義に向かう第一歩でもありましたが、一方で権力の集中や独裁政治の発展という負の側面も伴いました。

もう一度検索