国王神社

国王神社：平将門公を祀る鎮魂の社

国王神社（こくおうじんじゃ）は、茨城県坂東市岩井に鎮座する神社です。正式には國王神社と表記します。この神社は、平安時代中期の武将・平将門公を、その終焉の地に祀るという由緒を持ちます。地元では「国王大明神」や「将門大明神」とも呼ばれ、古くから人々の信仰を集めてきました。旧社格は村社です。

祭神

主祭神は、平将門公（平将門命）です。かつては、大己貴命も祀られていましたが、現在は将門公のみとなっています。平将門公は、桓武天皇の子孫にあたる高望王の三男として生まれ、下総国を中心に勢力を拡大しました。しかし、朝廷に反旗を翻し、承平天慶の乱を起こして討伐されました。

歴史

社伝によれば、将門公の死後、その三女である如蔵尼が、将門公の33回忌にあたる天禄3年（972年）にこの地に戻り、霊木を得て将門公の像を刻み、祠を建てて祀ったのが始まりとされています。この神像は、室町時代の作とされています。また、御霊信仰に基づき、将門公の神霊を鎮めるために創祀されたという説もあります。

慶安元年（1648年）には、徳川家光が圭田10石を寄進し、その後も歴代の領主から崇敬を受けました。万治2年（1659年）に火災で記録が失われましたが、延宝3年（1675年）に拝殿が建立され、文化14年（1817年）に本殿が再建されました。

明治維新後、近代社格制度で村社に列せられ、明治41年（1908年）には、境内にあった守神社、疱瘡神社、浅間神社が合併されました。

境内社

境内には、かつては妙見神社（天御中主神）、稲荷神社（倉稲魂命）などの境内社がありましたが、現在は妙見社と浅間神社が残っています。また、守神社は、戦前は天御中主命を祀っていましたが、現在は平将門の子孫ともいわれる平守明を祭神としています。

祭礼

例祭日は、将門公が没した2月14日です。氏子の間では「十四日講」という供養行事が代々行われてきました。また、11月第2日曜日には「岩井将門まつり」が開催され、将門公の武勇を偲ぶとともに、地域の活性化に貢献しています。

文化財

国王神社には、以下の文化財があります。

国王神社本殿（県指定有形文化財）
国王神社拝殿（県指定有形文化財）
寄木造平将門の木像（県指定有形文化財）

これらの文化財は、国王神社の歴史と文化を物語る貴重なものです。

アクセス

所在地：茨城県坂東市岩井951

まとめ

国王神社は、平将門公を祀る神社として、地元の人々から深く信仰されています。その歴史と文化財は、坂東市の貴重な財産であり、訪れる人々に歴史のロマンを感じさせてくれます。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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